ファーマーズマーケットの運営は「データ」を活用すべし!

統括研究員 谷川大致
監修・執筆統括研究員 谷川大致
ファーマーズマーケットの運営は「データ」を活用すべし!

今回はファーマーズマーケットのデータ活用について書きたいと思います。

ファーマーズマーケットの最大の特徴は、農家からの委託販売が主軸になるということです。
農家が品物を持ってきて、農家が金額を決めて、農家が陳列まで行います。マーケット側は売れたら委託販売手数料もらうだけ。つまりスーパーマーケットに比べて、運営側の支配力は弱くなりがちです。

ファーマーズマーケット

するとどうなるでしょう。売り場が無秩序になりがちです。
例えば、作物は取れるときにはドバッと取れますが、取れないときには本当に何もないというケースが多い。かといって、農家全員が「たくさん取れたから」とゴーヤばかり大量に持ってきたらどうなるでしょうか。缶詰や乾燥食品ならある程度在庫も効きますが、野菜は1日、2日経ったら売り物としての価値が下がってしまいます。

あと、価格のコントロールが効かなくなります
農家はちゃんと儲けたい農家と、趣味で作っている農家に分かれます。趣味で作っている農家は、例えば年金をもらっていてそんなにお金に執着が無かったりします。だからといって極端に安い値付けをされたら、本気の農家がとても困ります。
同じ野菜なのに、値段が極端に違っていたらお客様も混乱します。

売り場が無秩序になりがち

そうしたファーマーズマーケットにおける品質管理人的管理をうまくやるための切り札がデータです。

近頃のファーマーズマーケットでは、POSレジを使っているところが増えてきています。しかし、そこから得られるPOSデータを正しく活用できているのは1割にも満たないのではないでしょうか。これは非常にもったいないです。

POSデータを使うと、農家のコントロールがしやすくなります
例えば、農家の人たちに対して「いつもありがとうございます」と抽象的な言葉だけで感謝するのではなく、POSデータを元にした「数字」を交えて伝えることで、より効果的に農家のモチベーションを上げることができます。

POSデータを元にした「数字」を交えて伝えることで、より効果的に

また、品質管理についても、「今週は売り場に占めるゴーヤの割合がこんなに高いから納品を控えてくれ」と具体的な数字を示してお願いすれば、農家も素直に聞いてくれるはずです。あるいは、同じ野菜なのに「あなたの野菜は他の農家より3割も売上が低い」といえば、素直に品質改善に務めてくれるでしょう。

このように、POSデータを活用すれば、支配力が弱まりがちなファーマーズマーケットも、「こうして欲しい」と農家に訴えやすくなり、結果的に「あ、ここのファーマーズマーケットに来たら品質が良くてスーパーで買うより安い。しかも美味しい」とお客様に喜ばれるような運営ができて、収益が伸びるかもしれません。

私どもは、中小企業診断士として、普段から小売業や卸業のお客様を相手にデータを活用した経営支援を行っていますので、ぜひお気軽にご相談いただければと思います。

次の世代のために一歩前へ進みましょう。

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