誰に、何を売りますか?農家のターゲティングと価格改善

統括研究員 谷川大致
監修・執筆統括研究員 谷川大致
誰に、何を売りますか?農家のターゲティングと価格改善

ターゲティングの基本は「何を/誰に/いつ/どのように売るのか」を決めることです。

「何を」は作付している作物です。
「うちは農協に出荷している」という場合は「誰=農協」であり、さらに顧客である農協が何を求めているか考え、「いつ/どのように売るのか」を意識してみてください。

例えばキュウリを出荷する場合、同地域の同天候下で出荷する農家であれば、おそらく出荷日はかぶってしまいます。供給が多ければ価格も下がるのが常です。

しかし農協の立場になってみると「出荷量が減少する日をなくしたい」というニーズがあるはずです。ここで「いつ」を意識し、数日でいいので出荷日をずらしてみたらどうでしょうか。そうすれば周囲と同日に出荷するより価格が上がり、利益を出せるようになります。

出荷した先に必ずいる、買い手のお客様のニーズを考えるのも有効です。
店に並べるとしても、その客層が大家族か一人暮らしか、来店は車か徒歩かなどでも準備すべき商品が変わります。

おそらく、皆さんはすでに年末に向けて作物の生育をコントロールし、高価格で出荷できる日を狙った経験をお持ちのはずです。それは特別な時期の施策ではなく、通年行ってよいものです。

今は1週間先、2週間先の天候もある程度予測できるようになりました。
ということは「皆が出荷しそうな日」「出荷量が減りそうな日」も分かります。分かるのであれば相手の需要が高まる日を狙って出荷する。シンプルですが、これが農家のターゲティングのポイントなのです。

大手スーパーや飲食店に出荷する農家は受注生産を行い、すでに生育をコントロールして需要量に応えています。水と肥料を管理する基本は変わらず、どの農家でもやろうと思えばできる手段です。

買い手のお客様に向けて加工を変えたり、同じ作物のサイズや品種を変えたりしても新たな収益につながります。

ぜひ「何を/誰に/いつ/どのように売るのか」を洗い直してみてください。

次の世代のために一歩前へ進みましょう。

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