その無料サービスは効果を出している?内容を見直して営業コストを大幅に削減

統括研究員 谷川大致
監修・執筆統括研究員 谷川大致
その無料サービスは効果を出している?内容を見直して営業コストを大幅に削減

農機販売の営業活動において、皆さんも「無料サービス」を提供していませんか。
将来の大きな取引を見込んで、今損をしても無料で対応したほうがよいという考え方があります。

サービスの内容はさまざまです。ちょっとした部品交換、ちょっとした修理、ちょっとしたメンテナンスなど、確かに手間がかからず、お客様に喜ばれてやりがいを感じるかもしれません。

しかし会社の利益面から考えると、この「無料サービス」をやたらと提供してしまうのは問題です。
今回は過剰なサービスを減らす具体的なヒントを紹介します。

「無料サービス」の性質は2種類に大別できる

私たちは、「無料サービス」には2種類があると考えています。

恩になるサービス(=利益)

一時的にサービスを無料で提供しますが、相手が恩に感じて高額農機の購入につながるなど、金額の明確な利益が出せるものです。

嫌われたくないからするサービス(=損失)

惰性でサービスを無償化してしまっているだけで利益がなく、実は有償サービスとしてお金をいただいたほうがよいものです。

「無料サービス」は前者のみとし、数を絞って提供するのが理想です。
後者はチームで話し合って徐々に減らしていくべきサービスなので、まずは後者を見直してみましょう。

損失を生む「無料サービス」はこうやって起こる

つい惰性で行ってしまう「無料サービス」はなぜ発生するのでしょうか。
以下のような理由が考えられます。

  1. 軽微な対応なので勝手に無償化する
    不具合を確認したら簡単な部品交換で済み、「小さな作業なのでお金はいいです」と現場判断で無料にしてしまうパターンです。
  2. 請求書を書くのが面倒
    細かなパッキンや小部品、グリスや油などの材料に関しては「請求書に書くのが面倒」「いちいち価格を覚えていない」などの理由で、メンテナンスしても請求を省いてしまうことがよくあります。
  3. その場で交渉していないのでお金をもらいづらい
    対応してから「戻って金額を確認します」とその場を離れ、後々に電話などで連絡するのが億劫になって未回収になるケースです。

しかし、これらには解決する方法があります。

  • ①の解決法:
    これまで出張や修理などが発生している案件を抜き出し、その中で「この作業をしたら費用が発生するので回収する」というルールを明示して、チームで徹底します。
  • ②の解決法:
    出張代、修理代、技術料、個別の部品代など小さいものでも必ず価格設定し、一覧を誰でもすぐ参照できるようにします。
  • ③の解決法:
    お客様から対面で「ありがとう」と言っていただけた瞬間が、サービス料金を最も回収しやすい「収穫時間」です。手ぶらで戻るのは避け、必ず費用を伝えてお支払の約束をいただくようにします。

管理職は日報を活用、「無料サービス」の傾向を掴もう

上記の営業改善を取り入れるとき、欠かせないのは管理職によるチームマネジメントです。

メンバーには必ず農機の専門知識があり、修理対応できる技術力があり、それらはしっかり料金をもらえる立派なスキルです。
対応力がある1人の人間が1時間動けば相応のコストが発生します。
それは請求してよいことなのだと繰り返し伝えていきましょう。

また、メンバーには日報を書いてもらい、毎日確認してコメントをつけるようにします。
ここから日々起こっている部門の「無料サービス」の場所・換算した金額・内容を把握し、その後のお客様の購入につながったかどうかを分析しましょう。

この際は金額を明記するのがコツです。修理の無料対応を繰り返しても購入にならない、逆に補助金の案内を2回行ったお客様は購入しやすい、など「無料サービス」の効果が見えてきます。
打率が高いものだけ残し、後はしっかりと費用回収を行ってください。この絞り込みで無駄な費用が大幅に削減できます。

日々の業務で改善まで手が回らないときは、ぜひ私たちにご相談ください。
こちらで皆さんのチームと営業状況をヒアリングして、最適な改善策をお伝えします。

次の世代のために一歩前へ進みましょう。

皆様からのご連絡をお待ちしています

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