ムリ・ムラ・ムダの削減
営業職の皆さんはいつも「今日はどこへ営業に行こうか」「すぐに購入してくれそうなお客様は誰か」と悩んでいませんか。営業先の探索は業務に欠かせないように思いますが、実はこれが大きなムダになっています。
仮に、営業に行くメンバーに「すぐ購入してくれそうなお客様リスト」がパッと出せたらどうでしょうか。
リストがあれば、探索にかけていた時間は短縮されて今までより1件多く訪問できるかもしれません。営業先でも、お客様を説得する時間が減って効率的に売り上げられるかもしれません。
日頃の活動を工夫すれば上記のような環境は構築できます。その際にポイントとなるのは「長期情報の共有化」です。チームの業績を黒字化したい、もっと営業効率を上げたい、そう思っている管理職の方はぜひ今回紹介する方法を試してください。
ここでいう「長期情報」とは、「今すぐの売上にはつながらないが、5年後、10年後の成果を生む情報」です。日々の売上に囚われすぎているとなかなか見えてこないかもしれません。
しかし、売上に直結する「短期情報」ばかり考える場合、業績を維持するために毎日新しい情報を探さなければならず、メンバーは疲弊してしまいます。実際にそれで離職につながるケースも多いです。
私たちが推奨するのは逆の動きです。その日の成果にはならなくても地道にお客様の情報を集める。集めた情報は一元化して他のメンバーも参照できるようにする。こういった「長期情報」と「それを皆で使える環境」が真の売上につながります。
では、どのようにこの環境を構築すればよいでしょうか。
営業の現場では、すでに「長期情報」を活用して実績につなげている人もいます。彼らに聞いてみると、1件のお客様について驚くほどの情報を蓄えています。
住所・電話番号はもちろん、決裁者・キーパーソン、どんな時間帯に連絡すればよいか、何の作物を作っているか、面積はどれくらいか、どんな農機があるか、それはどこへ格納されているか、お客様の家族構成や婚姻事情、趣味や不満など20個、30個はすぐ出ます。
トップ営業であれば上記のような「長期情報」の蓄積からお客様の状況を想像し、「今売れる先」をリストアップして訪問しています。管理職の役割は、彼らトップ営業の動きをシステムに落とし込み、誰もが再現できる環境を作ることです。
今いるメンバーが、担当する全てのお客様から完璧に「長期情報」を取るのは困難です。そこでおすすめしたいのは「最重要顧客からのトライアル」です。
各メンバーの「最重要顧客」を抽出し、それぞれ情報を何項目持っているか洗い出してみましょう。一番知っておくべきお客様ですが、意外なほど手持ちの情報が少ないと判明するはずです。
最初は「息子さんが結婚したらしい」「他社のトラクターがあった」など何でもよいので、訪問で得た新情報を記録します。本人が直接顧客管理システムに入れても、営業補助のメンバーが代理で入力してもよいでしょう。情報をチームで一元化して蓄積するのが大切です。
そもそも情報がないので無駄足を運び、忙しくなって追い詰められてしまうのが悪い営業の典型です。それを防ぐのが日々の「長期情報」の蓄積と共有化です。
1カ月目は「最重要顧客」で情報を集める訓練を積み、2〜3カ月目は他のお客様で水平展開をします。4カ月目くらいから前の情報を使ったセールスが生まれて、半年後にはチームの習慣になります。
この頃には冒頭で述べた「すぐ購入してくれそうなお客様リスト」が実現しているはずです。チームの実情に合わせたカリキュラムについては私たちもご相談を受け付けています。困ったときはご連絡ください。
次の世代のために一歩前へ進みましょう。
皆様からのご連絡をお待ちしています