ファーマーズマーケットの運営は「データ」を活用すべし!
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農家の人手不足は業界における長年の悩みです。
作物や季節によって必要人員に幅があり、仕事は重労働で体を使います。
常時雇用が難しいため、繁忙期に頼んで来てもらう採用スタイルが主流です。
皆さんの採用方法はどうでしょう。近所の人、身内の人、友人やその知人などに声がけをして、必要な時期に何とか掻き集めているというのが実情ではないでしょうか。
しかしこのような縁故採用も、方法を見直せばもっと楽で有効な手法に変えられます。
いわば従来の縁故採用を進化させた「シン・コネ採用」。
今回はその手順と方法を紹介します。
採用の悩みで最も多いのは「ミスマッチ」です。
知人のツテやハローワーク募集から来てもらったけれど、働き始めると数日で辞めてしまった。
彼らに原因を聞くと「思っていた環境と違った」「想像よりキツかった」という声が多数です。
現在の状況を考えると、農業から肉体労働は取り除けません。
また農家やファームによって作業環境・トイレや休憩所などの待遇・使う道具や機械などの状況が違い、「行って初めて知った」という事柄も多々発生します。
しかし、それを当たり前としていると今後も人員は集まらないでしょう。
離職してしまった人たちの意見を汲み取り、そこから対策を練るしか方法はないのです。
そこで有効なのが職場の「アピールブック」の制作です。
「アピールブック」とは、自分たちの職場について情報を集めた小冊子です。
印刷業者に頼まななくてもOK、コピー用紙に手描きし、印刷したものを手作業で綴じた冊子で十分です。A4用紙を2つに切ったものを重ねて2つ折りにすれば、全8ページの冊子にできます。
ここに職場の情報を入れていきます。以下が入っていれば基本的な様子を伝えられます。
カギとなるのは③と④です。
なぜなら③をあらかじめ知って就業してくれれば急な離職を防ぐことができ、④はサイトや噂からでは分からない職場の生の声を伝えられるからです。
まず、充実した冊子制作のために情報収集を始めましょう。
農作業の閑散期を使って「うちの職場の長所は何か」「どんな評価を得ているか」「みんなの不満点は何か、どう解決できるか」「なぜ働いてくれているのか」をインタビュー・分析してまとめます。
この棚卸しをするだけでも、人を集めやすいポイント・人が離れてしまうポイントが明確になるはずです。
③についても隠さずに書き、そのためにどう対策しているのかまで明記してください。
ここが「ミスマッチ」を防ぐ重要な項目になります。
職場で絵や文章が得意な人がいれば、しっかり報酬を出して手伝ってもらってもよいでしょう。
来春に人が欲しいのであれば、まさに秋口の今から準備を始めてちょうどよいくらいです。
「アピールブック」を制作したら、職場や作業について前向きなメンバーを選んでこの冊子を託します。彼らの目で選んだ「この人なら」という人に、職場情報とともに直接冊子を渡してもらうのです。
どの業界でも、最も効果的な採用活動は「信頼する人が直接声がけして行う勧誘」です。
だからこそ、口下手な人でも職場を紹介できる「アピールブック」があると便利です。
内気でも誠実なメンバーが採用活動に参加できるようになるツールであり、彼らの説明負担を減らす大きな役目を果たします。
1冊作れば農家の採用活動は大いに楽になります。
皆さんの採用を支援するため、農機メーカーや農協で「アピールブック作成講座」を開いてみてはいかがでしょうか。
会員・顧客サービスとしても非常に有効です。私たちからもアドバイスやサポートが可能ですので、ぜひご相談ください。
次の世代のために一歩前へ進みましょう。
皆様からのご連絡をお待ちしています