ムリ・ムラ・ムダの削減
皆さんの職場では「業務日報」(以下「日報」)を書いていますか。
毎日お客様と話をする仕事であれば、必ず取り入れてほしいのが「日報」を書く習慣・チェックする習慣です。
しかし実践するのが難しいという声があるのも事実。今回は「日報」の重要性と習慣づけのコツについて紹介します。
「日報」の役割は、単に社員が上司に仕事内容を報告するだけに留まりません。
今後の業績を上げるヒントが詰まっている一種のデータベースだと考えてください。農業を取り巻く状況が変化する今、お客様が向かいたい方向について、感覚値ではなく記録として残せるのが「日報」です。
1日だけでは分からなくても日々データを集めて比較・追跡すれば成功パターンが見えます。
日々の業務は変化し、同じものはないと思われるかもしれません。しかし、成功パターンを意識することができれば業績は上がると思いませんか。
確かに「日報」を書いたりチェックしたりする手間はありますが、効果はそれ以上です。
まだきちんと習慣化していない企業も多いので、実践するだけでも他社より一歩も二歩もリードできます。
では、具体的にどう書けばよいのか。まず意識したいのが「誰に向けて書くか」です。大きく2つあります。
1つは上司に分かるように書くことです。報告として成立させることを、最初は実践できないとしても書く際には意識します。
もう1つは未来の自分に向けた手紙のように書くことです。1年後、2年後でも、すっかり忘れてしまった自分でも読んで分かるように書きます。
そして「日報」に必要な項目は3つです。この3つさえ日々書き留めていけば最低限のデータベース機能が果たせます。
これらは、文章にせず箇条書きでもOKです。とにかく日々起きたことを忘れないうちに記録するのが大切です。
メンバーが書くだけでは「日報」は完成しません。毎日書いたものは、毎日上司がフィードバックします。
書き手のモチベーションを保ち、チームの状況を上司が毎日把握するためです。
コメントが大変であれば、ツールによっては「いいね」ボタンのようなスタンプ形式もあります。「読んでくれた、反応があった」という状態が重要なので、それだけは欠かさずに続けてください。
また、良いことをしたメンバーは必ず褒めましょう。成果を出した人だけでなく、成果を出すためのパスを出した人も「褒め」の対象です。
特に新人にとってはこの評価がありがたく、定着率にもつながっていきます。この細かい“手柄”を把握するためにも「日報」のチェックが有効なのです。
継続していくためには次の2点も配慮します。
1つ目は柔軟性の保持です。基本3項目の情報があれば文体などは任せて、細かな注意をしないほうが続けやすいです。
2つ目はスケジュールの確保です。「日報」も業務だという認識は繰り返し伝えて、朝や夕、または訪問直後など決まったときに書くよう定めます。
今回紹介した「日報」の書き方にそって、まず1カ月実践してみてください。情報の蓄積が見えて「もっと続けたい」と思えるはずです。
次の世代のために一歩前へ進みましょう。
皆様からのご連絡をお待ちしています