「業務日報」はチームの財産、効率よく必要な情報を貯める習慣とは?

統括研究員 谷川大致
監修・執筆統括研究員 谷川大致
「業務日報」はチームの財産、効率よく必要な情報を貯める習慣とは?

皆さんの職場では「業務日報」(以下「日報」)を書いていますか。
毎日お客様と話をする仕事であれば、必ず取り入れてほしいのが「日報」を書く習慣・チェックする習慣です。

しかし実践するのが難しいという声があるのも事実。今回は「日報」の重要性と習慣づけのコツについて紹介します。

そもそも、なぜ「日報」が必要なのか

「日報」の役割は、単に社員が上司に仕事内容を報告するだけに留まりません。
今後の業績を上げるヒントが詰まっている一種のデータベースだと考えてください。農業を取り巻く状況が変化する今、お客様が向かいたい方向について、感覚値ではなく記録として残せるのが「日報」です
1日だけでは分からなくても日々データを集めて比較・追跡すれば成功パターンが見えます。

日々の業務は変化し、同じものはないと思われるかもしれません。しかし、成功パターンを意識することができれば業績は上がると思いませんか。
確かに「日報」を書いたりチェックしたりする手間はありますが、効果はそれ以上です。
まだきちんと習慣化していない企業も多いので、実践するだけでも他社より一歩も二歩もリードできます。

上司に分かるように書く/未来の自分へ手紙を書く

では、具体的にどう書けばよいのか。まず意識したいのが「誰に向けて書くか」です。大きく2つあります。

1つは上司に分かるように書くことです。報告として成立させることを、最初は実践できないとしても書く際には意識します。
もう1つは未来の自分に向けた手紙のように書くことです。1年後、2年後でも、すっかり忘れてしまった自分でも読んで分かるように書きます。

「日報」の基本3項目

そして「日報」に必要な項目は3つです。この3つさえ日々書き留めていけば最低限のデータベース機能が果たせます。

  1. 事実
    お客様を訪問したとき、知った事柄について記録します。例えば「お客様が○○に困っている」「ケガをした」「○○が欲しい/○○をもう買ってしまった」「息子さんが就職した/入学した」などです。箇条書きでも構わないので新しく知った事実を書き留めておきます。
  2. 自分がどう感じたのか
    ①で書いた事実を知ったときの自分の感想です。簡単な言葉で大丈夫です。「よかったな」でも、「しくじったな」という反省でもよいです。「来月中に買ってもらえそう」などの期待などもあるでしょう。正直に書いておきます。
  3. 次のアクション
    では①を知り、②を感じた後、自分はどうしようと思ったか。それが次のアクションです。「来週訪問しよう」「来月この話をしてみよう」「文書を準備しよう」「先輩に相談しよう」などがあたります。

これらは、文章にせず箇条書きでもOKです。とにかく日々起きたことを忘れないうちに記録するのが大切です。

上司のフィードバックも必ずセットで

メンバーが書くだけでは「日報」は完成しません。毎日書いたものは、毎日上司がフィードバックします。
書き手のモチベーションを保ち、チームの状況を上司が毎日把握するためです。

コメントが大変であれば、ツールによっては「いいね」ボタンのようなスタンプ形式もあります。「読んでくれた、反応があった」という状態が重要なので、それだけは欠かさずに続けてください。

また、良いことをしたメンバーは必ず褒めましょう。成果を出した人だけでなく、成果を出すためのパスを出した人も「褒め」の対象です。
特に新人にとってはこの評価がありがたく、定着率にもつながっていきます。この細かい“手柄”を把握するためにも「日報」のチェックが有効なのです。

継続のための注意点

継続していくためには次の2点も配慮します。

1つ目は柔軟性の保持です。基本3項目の情報があれば文体などは任せて、細かな注意をしないほうが続けやすいです。
2つ目はスケジュールの確保です。「日報」も業務だという認識は繰り返し伝えて、朝や夕、または訪問直後など決まったときに書くよう定めます。

今回紹介した「日報」の書き方にそって、まず1カ月実践してみてください。情報の蓄積が見えて「もっと続けたい」と思えるはずです。

次の世代のために一歩前へ進みましょう。

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