ムリ・ムラ・ムダの削減
社内研修などで浸透度が低い情報は、思い切って動画にして伝えてみるのもおすすめです。
自社で準備した動画であれば、身近な人を登場させて関心を引くことができます。また、現状に即した問題提起が可能なので視聴者が「自分ごと」として考えやすくなります。
今回は社内研修用の5分動画の制作を例に、どのように進めていけばよいか解説します。
私たちが携わったある企業では「顧客情報の管理」が課題でした。管理のためにはツールを利用し、こまめに情報を更新する必要があります。皆さんは頭では理解しているのですが、なかなか実践に結びつきません。この問題を解消するための動画制作を企画しました。
動画はインタビュー形式で作ることにしました。問題意識を持つ若手を聞き役にし、話し手としてすでに成果を上げている先輩や上司3名に登場いただくことにしました。
第1弾では、広く知られているスター社員を含むとよいでしょう。2回目、3回目の制作で出演依頼をするときに「あの人が出ていたなら」と承諾してもらいやすいからです。
撮影前にはヒアリングをして、大まかなシナリオを作ります。私たちがアドバイスしたのは「工夫してダメだったストーリーを聞くこと、試行錯誤を言語化すること」でした。
成功例だけを話しても視聴者は感情移入ができません。そうではなく、成功へ至るまでの過程と失敗をあえて披露して、視聴者の心に留まるようにします。
今回は5分動画を3本作ると決め、人選・ヒアリングから撮影までは1カ月ほどで実施しました。
撮影にかけた時間は3名のリハーサル込みで半日ほどです。動画のとおりにスラスラと話せる人はいないので、5分動画を作るためには15分ほどの録画時間が要ると見込んだほうがよいでしょう。
撮影場所は、できれば自然光が入る明るい場所を選んでください。また、音声は小さくてもよいので人数分の小型マイクを準備します。1つのマイクで録音すると編集で切るのが難しいからです。
編集では冗長な空きを削り、略して話してしまった内容にテロップを付けていきます。
動画編集が得意な社員の方もいるかもしれませんが、できれば本業を圧迫しないように外注するほうが簡単です。
現在はクラウドソーシングで編集作業を請け負ってくれるクリエイターがたくさんいます。
より多くの社員に動画を見てもらうためには、ただリンクを知らせるだけ、社内イントラに置いておくだけではダメです。
非常に有効なのは、管理職社員の研修で動画を見てもらい、管理職の皆さんからそれぞれの拠点でも会議や朝礼などで動画を共有してもらう方法です。
見る時間は半ば強制的に作ったほうが確実に届き、視聴した人たちには必ず反応が起きます。せっかく制作した動画ですから、できるだけ効果的な方法で視聴してもらえるようにしましょう。
今回の例では、5分動画×3本を2カ月ほどで制作できました。
動画で情報を伝えるメリットは、仲間がしゃべるために納得しやすくなる点です。「あの人もそんな経験があったのか」という小さな驚きがあれば、人は関心をもって耳を傾けてくれます。
動画に登場した社員にとっても、社内で広く顔を知ってもらえるのでその後の仕事が進めやすくなったといいます。
異動先の上司だった場合にもどんな人柄か分かり、部下や若手の安心感が増しました。動画が積極的なコミュニケーションツールになっているのです。
また、拠点が複数ある企業にとっては「優良事例を横展開しやすくなる」のもメリットです。
人を派遣するよりも手軽な方法で、臨場感あるコンテンツを広められます。
社内ノウハウのほか、採用者に必ず伝える事務的な連絡なども動画でまとめておけばくり返し利用できます。
動画制作について難しいと感じたら私たちにご相談ください。課題解決につながる動画のご提案と制作のお手伝いをします。
次の世代のために一歩前へ進みましょう。
皆様からのご連絡をお待ちしています