ムリ・ムラ・ムダの削減
昔から「社内報」は、会社の経営方針や社員の活動、人となりを紹介する媒体として重宝されてきました。今も続けている会社は多いと思います。しかし、担当人員の不足や予算縮小などで制作環境は以前より厳しくなっています。
数字が出る営業や開発と違い、「社内報」制作の成果が社内的に分かりにくいのも特徴です。制作担当者の皆さんは方向性や手応えに悩み、迷いながら日々の業務を進めているのではないでしょうか。
そこで今回は、「社内報」の制作業務について今より前向きに取り組めるコツを集めました。
「社内報」自体が全社で働く皆さんの内情や苦労を見える化しているのですが、「社内報制作」の成果についても制作者側が見える化し、意識することが大切です。
よくある企画としてインタビューを行う会社は多いと思います。この場合、取材される側の情報が社内報制作側に流れ、それが読者の皆さんへ届くという情報の1往復ができますが、そこで終わってしまうのがほとんどです。
しかし、この情報のやり取り回路をもう1回分増やすと読者からの反応が見えるようになります。具体的には「今回の社内報はどうだったか」を伝えるフィードバック方法を提示し、積極的に読者にお願いするのです。
今ならGoogleフォームのように無料で使えるツールがたくさんあります。自動で集計しグラフまで作成できるので、社内報の満足度や響いた記事などの情報はとても集めやすくなりました。
「全員から回答を集める」のような高い目標はなくて構いません。まず「社内報」の記事が誰かに響いていることを制作側が実感するのが重要だからです。アンケートを使って自分たちの栄養・ご褒美を獲得してください。回答率を上げるのはその後の工夫になります。
社長など役員幹部の挨拶であっても、社員全員向けにするか、社員の家族を含めた皆さん向けにするかで描き方は異なります。職場紹介の記事でも、家族やお子さんにまで理解してもらうなら易しくかみ砕いた表現を選ばなければいけません。
実践するのは少し手間がかかるかもしれません。しかし「社内報」の目的を単なる会社情報の掲載ではなく「家族の応援を引き出す」ことに変換すると、「社内報」制作にも新しい面白さが出てきます。
「社内報」には、普段は顔を合わせない社員同士の風通しを良くする役割もあります。積極的にその効果を出すために「クレームにならない程度に要望を入れ込む」という手があります。
例えばバックオフィスの社員なら外回りをする社員に向けて「実はこうしてほしい」「日々こんな工夫をしているのに」という思いがあるはずです。逆の立場ならきっと逆向きの不満があるでしょう。そこを「社内報」で取り上げて、お互いに「そうだったのか」と知ってもらうきっかけにします。
「社内報」制作を「社内報」予算だけで進めていると限界が来ます。すべて自前でするのではなく、別部門から予算が出るように社内で働きかけてみてください。
例えば「イベントに向けた高揚策」として「社内報」を活用すると設定すれば営業部門から予算が付きやすくなります。「離職防止策」として活用すると考えれば人事部門からも予算が出やすくなります。今よりも狙いを絞った特集や企画を意識してみるのです。
もし目的を絞った記事を作成するのが難しい場合は、外注としてプロのライターに依頼するのもよいでしょう。一度頼むだけでも記事の書き方や構成について方法を学べるので一石二鳥です。
本業に比べて特殊な業務なので、どうしても「社内報」制作の担当者は孤独になりがちです。社内読者、家族、他部門、外部スタッフなど、なるべく自分の味方になる人を増やすのが継続の大きなコツです。
次の世代のために一歩前へ進みましょう。
皆様からのご連絡をお待ちしています