若手雇用を成功させる4+αのコツ仲間に紹介したくなる会社づくりの方法 | 合同会社AMU経営研究所

若手雇用を成功させる4+αのコツ仲間に紹介したくなる会社づくりの方法

統括研究員 谷川大致
監修・執筆統括研究員 谷川大致
若手雇用を成功させる4+αのコツ仲間に紹介したくなる会社づくりの方法

多くの企業で「社員が高齢化している、若い人材が採用できない」という悩みがあります。特に中小企業では、せっかく採用しても長く続かない、応募自体が集まらないという声が少なくありません。

しかし実際には、独自の工夫によって若手採用と継続雇用に成功している企業があります。今回は事例から学べる4+2のポイントを紹介します。基本としてぜひお勧めしたい方法が【1】〜【4】、余裕があれば取り組んでほしいのが【5】・【6】です。

給料を2〜3割上げる

最も分かりやすい方法は給与水準の見直しです。周辺相場より高く設定すると「ここで働きたい」と思う若手が増え、求人の応募率が激変します。上げ率の目安は2割から3割です。

2〜3割というと人件費の上昇を心配する方もいるかもしれません。しかし実際には賃上げ以上の成果が得られる場合が多いのです。最低賃金で雇うと「その時間にいればよい」と考える人が多い一方、給与を上げると「自分は何ができるか」を考える意欲ある人材が集まるからです。

全員の給与を一律に上げるのは難しくても、ボトルネックとなる工程や難しい作業を担う人材の給与を上げるだけでも有効です。能力が2倍の人に入ってもらえれば効率が上がり、2人分の給与を出す場合と比べて4割の人件費カットにつながることもあります。

コミュニケーションを工夫する

ある工場では作業場が広く、騒音で声が聞こえないため会話がしにくい環境でした。そこでマイクと専用アプリを導入して会話できる環境を整えたところ、若手の定着が進みました。

また、5S徹底のため提案制度を設け、どんな小さな改善案にも1件数百円の評価報酬を出す企業もあります。社員・パートを問わず声を吸い上げるので意見を出しやすく、不満があっても皆が内に溜めなくなりました。どちらも日常コミュニケーションのサポートです。

都会とのつながりを示す

地方や郊外の企業でも、東京など都市部とつながりがあると若手の応募が増えます。支社や出張所があるだけでも「都会とつながる」という安心になるからです。都市との接点は、地域に根差しながら働きたい人材に「広がり」と「可能性」を見せる効果があります。

同年代の従業員による紹介

「給料が良く働きやすい企業」となると良い環境と雰囲気ができ、若手社員が同年代の仲間を誘ってくれます

「働きやすさ」には、休暇を取りやすい、早朝や夜などの変則的なシフトが組みやすいなどの労働条件も含まれます。企業としても正規シフトを幅広く設定すると時間外労働が減るため、残業代削減のメリットがあります。コアタイムを設ければ全員に連絡する機会が持てるので導入もしやすいでしょう。

インターンシップの充実

BtoB企業は外から仕事内容が見えにくいため、それを見越して学生インターンシップを組んだ企業が若手の採用に成功しています。

その企業では、現場に入る前に「仕事に対する思い」や「社会への貢献」を理解してもらうワークショップを導入しました。意義を理解してから入る現場では情報量が変わり、志望する学生が増加しました。

社会貢献をアピールする

障害者雇用やSDGs、クリーンエネルギー利用など、若い世代は「社会貢献」には敏感です。小学校でもSDGsの授業は始まっています。そのため、「社会に役立つ会社で働きたい」と考える傾向が高まっています。自社の良い取り組みを公開することは、学生や若手だけでなく親御さんからの信頼にもつながり、応募者を増やしています。


基本的な改善策として、給与水準の見直し、コミュニケーション改善、柔軟な労務条件の設定、都市とのつながりはぜひ実践してほしいポイントです。

これらの改革案に対して二の足を踏むとすれば、それは「自分たちの仕事は、今の若い人にはできない」という先入観のせいかもしれません。

しかし、社内のベテランが健在なうちに引き継ぎの環境を整えなければ、若手不足という課題は解決されないままです。若い人たちの雇用は未来の人材基盤を築く第一歩。今すぐにでも取り組む価値のある投資なので、ぜひ実践してみてください。

次の世代のために一歩前へ進みましょう。

皆様からのご連絡をお待ちしています

受付時間8:30-17:30 / 定休日:土・日・祝日

03-6675-9340 メールでのお問い合わせ