大田区(東京都)資源環境部 | 合同会社AMU経営研究所

大田区(東京都)資源環境部

自治体×事業者×区民で進めるSAF 大田区における廃食用油循環の実装

脱炭素社会の実現に向け、航空分野においても持続可能な燃料であるSAF(Sustainable Aviation Fuel)への転換が求められています。そうした中、区民の身近な生活からSAFの社会実装を進める取り組みを進めているのが、大田区資源環境部です。

家庭から排出される廃食用油をSAFの原料として活用することで、資源循環と脱炭素を同時に実現する仕組みづくりに取り組んでいます。令和6年11月には、日本空港株式会社および事業者6者と連携協定を締結し、公民連携による本格的な社会実装に踏み出しました。

家庭の廃食用油を、未来の航空燃料へ

大田区資源環境部では、羽田空港を擁する自治体として、またSDGs未来都市としてSAFの取り組みは極めて重要であると認識し、家庭で使用済みとなった食用油を区内18か所で回収しインクとしてリサイクルすることに加え、新たに区内の連携事業者が運営する店舗においても日本航空株式会社が設置する回収ボックスで回収を始めています。区民は、特別な手続きや負担を伴うことなく、買い物や外出のついでに廃食用油を持ち込み、SAFの原料として提供することができます。

回収された廃食用油は、航空燃料として再資源化され、結果として航空分野のCO₂排出削減に貢献します。区は、この一連の流れを区民にわかりやすく伝えることで、SAFが遠い世界の技術ではなく、自らの行動と直結した取り組みであることを実感してもらうことを重視しています。

認知拡大という課題と、伝え方の工夫

一方で、SAFという言葉や仕組みは、まだ一般には十分に浸透しているとは言えません。大田区資源環境部では、この認知の壁を大きな課題として捉えています。そのため、回収協力店の拡大に継続的に取り組むとともに、多様な広報手法を組み合わせた普及啓発を行っています。

具体的には、区ホームページや区報、広報紙を通じた情報発信に加え、OTAふれあいフェスタなど多くの人が集まるイベントの場を活用し、直接対話を通じた啓発を行っています。特に区報では、ECOすごろくを掲載し、遊びながら環境行動を学べる工夫を凝らしています。普段の生活行動がどのようにSAFや脱炭素とつながっているのかを、楽しみながら理解できる点が特徴です。

このように、単なる情報提供にとどまらず、区民一人ひとりが自分事として捉えられる伝え方を工夫している点に、大田区の姿勢が表れています。

日常行動として根付く資源循環を目指して

大田区資源環境部が見据える将来像は明確です。廃食用油を「ごみ」として捨てるのではなく、「資源」としてSAFなどにリサイクルする行動が、特別なことではなく日常の選択肢として定着している社会です。

そのためには、区民だけでなく、事業者や行政を含めたあらゆる主体が、それぞれの立場で環境にやさしい行動を実践していく必要があります。家庭、店舗、企業活動、行政施策といった日常生活や経済活動のあらゆる場面で、小さな選択の積み重ねが脱炭素社会につながっていく。その積み重ねの先に、「持続可能な環境先進都市おおた」の実現があります。

今回の廃食用油回収とSAF活用の取り組みは、地域資源を活かしながら航空分野のGXに貢献するモデルケースといえます。SAFサプライチェーンに関心を持つ事業者にとっても、自治体と連携し、生活者を巻き込んだ社会実装の成功ポイントと言えるでしょう。

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次の世代のために一歩前へ進みましょう。

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