LCCの先駆けとして日本の航空業界に新たな選択肢をもたらしてきた Peach Aviation株式会社。
ピンクを基調としたブランドカラーや、親しみやすいサービスイメージは、「空を身近にする存在」として多くの利用者に認知されています。
今回のインタビューでは、同社の経営企画およびサステナビリティ推進の考え方を軸に、事業の背景や社会との向き合い方、SAFに対するスタンスについて話を伺いました。
Peachは、日本市場においてLCCという新しい航空モデルを定着させてきた航空会社です。事業開始当初から、フルサービスキャリアとは異なる前提条件を置き、どのようにすればLCCが日本で根付くのかを徹底的に検討してきました。
その中で、関西空港を拠点とする判断も、単なる立地選択ではなく、LCCに求められる運営条件や市場特性を踏まえた戦略的な決断でした。結果として、効率的な運航と手頃な価格を両立させ、多くの人にとって利用しやすい航空サービスを実現しています。
現在は、経営企画室を中心に、全社の経営戦略・計画の策定と実行状況のモニタリングを行いながら、変化する社会環境に対応した事業を進めています。
Peachの顧客構成は、一般的な国内線航空会社とは大きく異なります。利用目的の多くは観光や私的な移動であり、仕事以外での利用が約9割を占めています。性別構成は男女ほぼ半々で、20〜30代を中心としつつも、今後はより幅広い年齢層に利用してもらうことを重視しています。
同社が提供している価値は、単に「安く移動できること」ではありません。安全を大前提とした上で、手頃な価格で移動の選択肢を広げることで、人と人が直接会う機会を増やし、交流を促進することにあります。
2024年に改めて言語化されたビジョン「愛あるフライトを、すべての人に。」には、こうした考え方が集約されています。若者向けの航空会社というイメージにとどまらず、ファミリー層や50代以上の利用者にとっても、自然に選択できる存在になることを目指し、サービスやプロダクトの改善を重ねています。
サステナビリティ推進において、Peachが重点領域として位置付けているのは、環境、ダイバーシティ&インクルージョン、地域創生の三つです。
航空機を運航する以上、CO2排出は避けられない課題であり、環境への対応は航空会社としての責務と捉えています。同社は、グループ全体で掲げる2050年カーボンニュートラルの方針に沿い、環境負荷低減に向けた取り組みを進めています。
また、多様なバックグラウンドを持つ顧客や企業活動に関わるさまざまなパートナーを尊重する姿勢、地域と地域を結ぶ航空会社としての地域創生への貢献も、日常業務と結びついた重要なテーマです。これらを特別な活動として切り離すのではなく、各部門の業務と関連付けながら、全社的に推進しています。
PeachではSAFを含む燃料調達についてはグループのスケールメリットを活かし、ANAに委託する形を取っています。現状のSAFは最低ロットやコスト面での制約もあり、単発的な利用では実質的な環境効果が限定的であるという課題認識を持っています。
一方で、SAFが航空業界全体の環境負荷低減に向けた重要な要素であることは明確です。SAFは、航空機に搭乗する利用者だけでなく、地球環境全体に対する配慮を象徴する存在であり、欧州ではフライトごとのSAF使用状況が可視化されるほど意識が高まっています。
同社では、燃料調達をANAに委託する形をとりながらも、今後のSAF使用も含むカーボンニュートラルに向けた取り組みを個社としても検討を行っており、同時にANAグループとの連携を通じ、SAFの普及啓発や社会的理解の醸成において、何らかの形で関与していく余地があると考えています。それは「愛あるフライトを、全ての人に。」というビジョンの延長線上に位置付けられる取り組みです。
Peachの考え方は、SAFを導入しているかどうかという単純な軸では測れません。移動の価値を問い直し、人と人、地域と地域を結ぶこと自体を社会的価値として捉える姿勢は、SAFサプライチェーンを担う多様な組織にとっても示唆に富むものです。
SAFは単なる燃料ではなく、どのような未来の航空を描くのかという問いに対する一つの答えです。その問いを共有し、仲間とともに取り組む姿勢こそが、今後のサプライチェーン形成において重要になっていくでしょう。
出典:Peach Aviation株式会社HPより
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