全日本空輸株式会社(以下、ANA)はANAグループの中核として航空運送事業を通じて、日本国内と海外に幅広い航空ネットワークを持ち、ヒトとモノをつなぐ役割を担っています。
世界最大の航空連合である「スターアライアンス」の主要メンバーとして、今後もより広範なグローバルネットワークを構築し、日本と世界中の都市を結んで、空からはじまる多様なつながりを創り、社会・お客様・社員の可能性を広げてまいります。
航空旅客事業に加えて、貨物専用機や旅客機の貨物スペースを活用した航空貨物事業も展開しており、ANAグループの一員として新しく仲間入りした日本貨物航空とコンビネーションキャリア(旅客機と貨物機の両方で貨物を輸送する形態)の強みを高め、世界有数の貨物輸送体制を構築することも目指しています。
「安全は経営の基盤」という不変の理念を守り抜き、社会的・経済的価値の同時創造を通じて、社会の持続的な成長に貢献してまいります。
気候変動による当社への影響は日々高まっていると感じており、今夏は雷雨やゲリラ豪雨の激しさが増し、運航作業などに大きな影響が出ております。このような地球規模の環境問題が発生する中で、航空業界は温室効果ガスの2~3%を排出していると言われています。
当社は化石燃料などの自然資本を使って事業を行っている立場として脱炭素への取り組みは、地球の未来を担う次世代に対する揺るぎない責務だと考えており、2030年度に19年度比で二酸化炭素排出量を実質10%以上削減し、50年にはネットゼロにする目標を掲げています。
その中で重要な役割を果たすのがSAFであり、SAFの利用拡大を通じた二酸化炭素排出量の削減は、仮に政府や業界の目標が無くても取り組まなくてはならない重要な経営課題だと認識しています。
当社の取り組みは早く、2012年4月に新機材の米ボーイング787型機を空輸する際にSAFを15%混合しました。2018年12月にはサンフランシスコ発の定期便で、2020年10月には日本発の定期便でSAFを利用しています。
2023年~2024年度には東京都からご支援をいただいて、国内線定期便として初めて羽田-八丈島線で継続的にSAFを利用しました。
さらに、ANA は、航空機を出張や貨物輸送でご利用いただく企業とともに、サプライチェーン上の二酸化炭素排出量(Scope3)の「見える化」と、SAF の普及・利用拡大を進めることで持続可能な未来を目指すパートナーシップ・プログラム「SAF Flight Initiative」を 2021 年 9 月からスタートしました。
このプログラムでは、パートナー企業に SAF のコストを一部ご負担いただき、それにより削減された二酸化炭素排出量を証明する証書を ANA が発行しています。
パートナー企業の Scope3 削減目標の達成と、企業価値向上等に貢献する脱炭素社会のビジネスソリューションとして参画企業を増やし、SAF の利用拡大を目指しています。
また、SAFの普及・利用拡大については、航空業界内外の連携も不可欠だと考えており、日本航空と2021年に共同レポートを作成し、航空業界内外のステークホルダーへの発信を行い、航空業界が一丸となった取り組みが既に始まっております。
2022年には業界の垣根を越えた取り組みとして、SAFの国内でのサプライチェーン構築と普及を通じてカーボンニュートラルな空の実現を目指すオールジャパンの有志団体であるACT FOR SKYの取り組みも始まっています。
コロナ禍以降は、日本特有の動きとして国産SAFに関する官民協議会を親会とする様々なコンソーシアム等も立ち上がり、当社も積極的に参加しSAFの普及・利用拡大につながる機運作りに取り組んでいます。
今年、コスモ石油による国産SAFの製造・供給が始まり当社としても大変歓迎しています。ただ、政府からSAF製造へのご支援をいただいていてもなお、今後のSAF価格の見通しは既存燃料の3~5倍となっております。
島国である日本にとって航空ネットワークは経済成長と国益に直結する生命線であると認識していますが、この価格差を自社の経営努力だけで吸収するのは困難であり、SAF導入に伴うコスト増によって航空ネットワークの維持が困難になる恐れがあります。
この課題を乗り越えるためには、航空会社のみならず、国や社会全体での取り組みが不可欠であり、SAFをより身近なものとして普及させ、あらゆるステークホルダーの皆様と協業しながら社員一丸でチャレンジしてまいりたいと考えております。
ANAグループは、創立70周年を機に、社員一人ひとりが未来の「ありたい姿」を語り合い、経営ビジョンを刷新しました。
そして、新たな経営ビジョンとして「ワクワクで満たされる世界を」を掲げ、世界中のグループ社員がいきいきと挑戦を続け、お客様や社会に寄り添いながら新たな価値を提供し、世界を期待や喜びで満たしたい、そんな想いを込めています。
航空事業を中核とするANAグループは、今後も「挑戦し続ける」「いつもお客様に寄り添う」気持ち、「心の翼」をもって、永続的にこれからの社会の発展に貢献し、「夢あふれる未来」創りの一翼を担っていきます。
※実際に航空機の運航に使用するSAF
次の世代のために一歩前へ進みましょう。
皆様からのご連絡をお待ちしています