有限会社南西サービス | 合同会社AMU経営研究所

有限会社南西サービス

  • 従業員数14名
  • 資本金3百万円
  • 売上高233百万円

徳之島のサトウキビ農業を支える“現場力とデジタル力”

事業の内容

有限会社南西サービスは、徳之島における地域のサトウキビ農業を支える農地所有適格法人である。設立は平成4年。前身である有限会社南西テクノの事業を引き継ぐ形で創業し、現在に至る。
資本金は300万円。社員3名、準社員11名、臨時雇用・パート10名の体制で、島内の農家や製糖工場を支えている。

本業は自社でのサトウキビ栽培、ハーベスタによる収穫受託やトラクターによる耕作受託等さとうきびの生産出荷である。
併せて、「徳之島サトウキビ農作業受委託調整センター」の作業斡旋業務も行っている。

この組織は産地行政が経営母体となる組織で高齢化によりさとうきび栽培にかかるトラクター作業を委託する農家拡大に応じて設立したものであるが、実質の運営は南西サービスが担っており地域の農業支援企業の側面が強いこともこの企業の特徴である。同社はこのシステムを機能的に維持することで植え付けや耕作の適期実施が図かれ島全体の生産効率の向上に寄与している。

徳之島全体では年間18万トンのサトウキビ生産を目標に掲げているが、同社もその一翼を担う存在である。高齢化や人手不足が深刻化するなかで、地域の担い手として、現場の最前線を支えている。

顧客への価値提供と効率化の工夫

サトウキビ農業は、春植えと収穫期が重なるため、特に繁忙期の人手不足が顕著である。加えて、台風や降雨など自然条件の影響を大きく受ける産業でもある。南西サービスでは、こうした課題を乗り越えるため、デジタル技術を積極的に取り入れてきた。

その代表例が、クボタスマートアグリシステムと農研機構が共同で行った実証実験で導入した「KSAS(クボタスマートアグリシステム)」の活用である。このシステムは、地図上で農地を特定し、農作業の受託や収穫場所の確認を効率化している。

同社では、初めて依頼を受ける農家が事務所を訪れた際、地図を見ながら「どの畑か」を丁寧に確認する。農家が自身の畑の位置を特定し、初回に限り赤い専用杭を渡して畑の入口に立ててもらい、作業員が現地で迷わないようにしている。このアナログな工夫とデジタルツールの併用が、現場の混乱を防ぐ鍵となっている。

また、ハーベスタによる収穫作業では、JAを介した集荷伝票による搬送を行う事で作業実績と報酬を明確化。誰が、どの畑を、いつ作業したのかを確実に把握できる仕組みを整えている。

社会貢献活動と地域連携

南西サービスは、単なる受託業務にとどまらず、地域全体の農業基盤維持に貢献している。徳之島のサトウキビ農家は、小規模な20〜30aの畑が多く、分散しているのが特徴だ。そのため、農作業を代行する際には土地の把握が難しい。こうした課題に対し、同社は地域の協力農家と連携し、効率的な農地管理体制を築いてきた。

平成29年にKSASを導入し、令和2年に「徳之島サトウキビ農作業受委託調整センター」を設立した当初は、協力農家は96名だったが、現在は149名に増加。担い手組織「新ジャンプ会」との連携も進めており、1haあたり555トンの収穫を目安に、20haクラスの大規模農家の育成を支援している。現在では、年間2,000トンの生産を目指す農家も登場しており、地域の生産意欲を高める原動力となっている。

さらに、「10年後の理想像」というと大袈裟になるが、徳之島の2つの製糖工場体制を維持したいと考えている。年間18万トンの生産量を続けるには、農地の集積や作業の効率化が不可欠であり、南西サービスはその中核的存在として地域の期待を背負っている。

SAFへの印象と今後への期待

SAF(持続可能な航空燃料)についても、同社は関心を寄せている。バイオマス活用に関する問い合わせは複数寄せられているが、現時点では事業化まで至った例は少なく、「実現には難しさも感じている」と冷静に見つめている。

しかし、製糖の副産物であるバガス(絞りかす)の二次利用には大きな期待を抱いている。これまで畜産やボイラー燃料として活用されてきたが、もしサトウキビ由来のSAF製造が実現すれば、農家にもわかりやすい新たな利用先となり、生産拡大への強い動機づけになると考えている。

「サトウキビから航空燃料ができるというのは、夢のある話です。私たちが栽培する原料が地域の未来、さらには地球の未来につながるとすれば、これほど誇らしいことはありません。」
デジタル化と現場力の両輪で、徳之島の農業を支えてきた南西サービス。その姿は、地域に根ざした企業が、次の時代のエネルギー転換にも貢献しうることを示している。

次の世代のために一歩前へ進みましょう。

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