株式会社沖航燃 | 合同会社AMU経営研究所

株式会社沖航燃

  • 所在地沖縄県那覇市
  • 従業員数68名
はじめに

株式会社沖航燃は、1972年の創業以来、沖縄の空を燃料供給面から支え続けてきた企業です。同社は、航空機への燃料給油や給油施設の管理運営、品質管理を中心に、安全性と効率性を追求しながら信頼を築いてきました。

本レポートでは、同社の事業概要、品質管理へのこだわりなどを通じて、現在の挑戦と未来の展望について紐解きます。沖縄の航空業を支える使命感と、地域密着型の企業としての誇りが見える内容となっています。

企業・事業紹介

企業概要

企業名 株式会社沖航燃
所在地 沖縄県那覇市鏡水
設立 1972年
従業員数 68名
※2025年3月時点
事業方針

航空機への燃料給油業務、航空燃料給油施設の管理運営業務、航空機用石油製品の販売業務など。

沖縄が本土復帰の日を迎えた1972年から50年以上、歴史が移り変わる中でも創業当初から航空燃料給油関連業に真摯に向き合い、沖縄の航空業と空路を燃料の面から牽引する。

事業概要

株式会社沖航燃の設立は1972年(昭和47年)の4月29日です。当時、石油関連業は米国の統治機構下にありましたが、本土復帰と共に完全自由化されました。関連会社が解散する際、そのノウハウを活かして新しい会社を立ち上げようということで設立されたのが沖航燃です。

事業のメインは航空機への給油と給油施設の管理運営です。給油部は航空機に燃料を搭載する業務を行っています。施設部では専用タンカーで運ばれてきたジェット燃料を大型タンクに受け入れ、品質を管理し、フューエラー(給油車)に積み込むまでの業務を行っています。備蓄タンクも含め給油施設の設備は、沖縄給油施設株式会社が所有しており、当社はその施設管理等の業務を受託しております。

燃料の供給について

燃料は、石油元売会社から供給されます。品質を確認した上で、給油代行契約に基づき給油業務を行います。
受入れた燃料は、石油元売りごとにタンクを分けるのではなく、数量でもって帳簿上管理されています。そのため、燃料は共同利用規格に合致したもののみを受け入れており、混合蔵置されたタンクから、管理分量に基づいて給油されています。

業務の根幹となる品質管理

同社は品質方針として、「基本を忠実に守りSHES(※1)に基づくABC(※2)の確実なる実行」を掲げています。

※1 SHES:Safety(安全)、Health(健康)、 Environment(環境)、 Security(保安危機管理)の英語の頭文字をとった略称。
※2 ABC:あたりまえのことを/ぼんやりしないで/ちゃんとやる の頭文字。


ISOの規格に基づき、「SHES(安全・健康・環境・品質)」を重視しています。燃料受け入れ時の受入前チェックや、作業に対する航空業界特有の厳格な基準の法令遵守、さらにはお客様に対する同一品質のサービス提供を徹底しています。これらは創業当初から続く基本的な業務方針で、20年ほど前にISOの形式で明文化されました。
ABCは、基本動作を忠実に守ることを目的とした方針です。特に「B」の「ぼんやりしないで」は、慣れからくる集中や緊張感の低減を意識的に解消します。その結果として、誰が行っても同じ品質のサービスを提供することを目指しており、この考え方は、定時運航や燃料の品質保持にも直結しています。

現在の課題と、解決への取り組み

課題

燃料の供給時、風速15メートル以上でタンカー船が運航を中止するなど、気象条件に左右されます。特に台風シーズンには、タンカー船運航中止による供給遅延が頻発します。また、近年の働き方改革により、タンカー船の計画も厳しくなっています。このような外部環境の変化に柔軟に対応する必要があります。

労務面はもちろんですが、品質管理における技術改革が、業務の改善に直結していることには手応えがあります。フューエラー(給油車)に燃料を積み込むとき、昔はプリセット機能がなく人がポンプを手動で開閉操作をしていましたが、最近は、積み込み数量をあらかじめセットすれば、自動でその作業ができるようになりました。今でこそそれが当たり前のようになっていますが、手動操作だったころから考えれば、大きな進歩となります。

全国の事例からまなぶ

他の施設の事例を参考にするため、年に数回ほど同社従業員は研修会に参加しています。全国から情報を集め、効率化につながる技術やアイデアを取り入れています。たとえば、貯蔵タンクの検査用燃料サンプリングを行う場合、昔はタンクに登り上部から燃料を採取していましたが、今は、タンクを改修して登らなくても下から取れる仕組みに変えるなどしています。研修会には管理職も同行することが多く、現場スタッフと共に参加して良いアイデアを持ち帰ることで、継続的に改良が進んでいます。

もちろん、改善/改修に際しては施設の大規模改修が必要な場合があります。そういう場合は沖縄給油施設株式会社が最終判断を行い改善/改修を行います。

人材面の課題

今の若い方たちにとって、「土日休みで働きたい」というニーズもありますが、同社は365日稼働しているため、シフト制が1番のハードルであると担当者は語ります。
同社施設部は、現在3交代制での勤務体制をとっています。深夜勤はありませんが、早出と遅出の仕事があり、部署によってシフトの組み方を調整していますが、働き手のニーズや時代の変化に合わせた改善は今後も注力していく必要があるという考えです。

安全面の意識づけや取り組み

品質管理と並んで重要なのが、安全管理です。社内では常に、安全に関する注意喚起をミーティングや回覧などで行っています。また、那覇だけでなく、全国の空港で起こった事故やトラブルの情報を共有し、それを題材にして水平展開し、全員で安全意識を高めています。

環境課題へのアプローチと新しい技術の可能性

人SAF(持続可能な航空燃料)の今後

SAFの導入に関しては、現在はまだ確実な情報を集めている段階です。SAFの取り扱いは現行のジェット燃料と同じだと言われています。国内でも徐々に導入されていますが、那覇空港でもこれから導入されるでしょう。

同社は品質維持のためにフィルターや設備を管理していますが、SAF導入で必要に応じてフィルターの種類や交換頻度を変える必要が出てきたり、そういった変更や設備の改造が必要になったりということも考えられます。まずは情報収集をしっかり行い、その上で必要な対策を講じていきたいと考えています。

SAF導入による品質管理への影響

品質管理も担う同社ですが、これも既存の方法で対応可能だと石油元売り等からは言われています。しかし、想像していない問題が出てくる可能性もあります。燃料スペック基準が10~13項目あり、そのどれか1つでも基準を満たさない場合は使用できません。同社の立場では、その点をしっかり管理する必要があります。

今後のビジョン

担当者は、「ビジョンというほどではないが」とことわった上で、着実な信頼を積み重ねることが目標であると話されました。競合他社が出てくる中にあっても、「那覇空港と言えば沖航燃」と関係者の皆様に言っていただけるような存在になる。そのためには安全性の積み重ねや信用を大切にしていきます。そう力強く語る姿には、日々途絶えることなく空の安全と快適を50年支えてきた同社の想いが垣間見えました。

次の世代のために一歩前へ進みましょう。

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