沖縄県庁様 | 合同会社AMU経営研究所

沖縄県庁様

  • 所在地沖縄県那覇市泉崎
はじめに

今回は沖縄県庁の職員の皆様にインタビューを行い、県内のさとうきびの振興に関する取り組み等についてお話を伺いました。
さとうきびの生産、そして製糖業の未来のために課題と真摯に向き合う沖縄の現状や、持続可能な航空燃料(SAF)についての意見もお聞きしました。

事業所紹介

事業所概要

所在地 沖縄県那覇市泉崎

概要

令和4年度に策定された「新・沖縄 21世紀農林水産業振興計画」によると、沖縄県では園芸作物等の農産物と同様に、さとうきびの安定した生産量の確保を第一に掲げていることが分かります。
県庁の職員の皆様は「沖縄は猛暑や台風の影響で気象条件の厳しいエリア。
しかしさとうきびは、厳しい自然の条件下でも比較的安定した収穫が可能という強みを持っています。」と語ります。さとうきびは沖縄にとっての、重要な基幹作物なのです。

そして製糖業は、関連産業とともに地域の経済社会において重要な位置を占めています。そのため振興計画の中でも、増産に向けて沖縄全体で、供給先である食品加工業を支える方針が示されています。
さとうきび生産振興対策として、担い手の経営規模拡大の促進、肥培管理等の徹底による生産性の向上、スマート技術を含めた高性能農業機械の導入等による機械化促進・強化、そして生産法人組織の育成及び作業受託体制の構築。これらを進めながら、県全体で安定的な生産供給体制の確立に取り組んでいます。

沖縄県の課題と対策

近年、砂糖需要の減少やさとうきび栽培面積の減少により、製糖業全体が厳しい経営状況におかれています。
このため、県内では製糖業の経営基盤強化と高度化推進に向けて各種対策等を講じていくことが必要とされています。

安定した経営の基盤を固めるために

県が目指すのは、製糖施設の更新整備等による製造コストの低減や、経営の合理化です。そして、製糖の副産物をできる限り多用途に利用すること。そうすることで、より安定した経営の基盤を固め、さらに生産量を増やしていく方針です。
これは、後述する持続可能な航空燃料、SAF(Sustainable Aviation Fuel)活用への考え方にも、大きく影響しています。

新規就業者の確保を目指す

沖縄県では国と連携し人手不足に対応した宿舎整備や、先端技術等を活用した製造工程の自動化・省力化等を図り、製糖業全体の「働き方改革」を進めています。さとうきび生産の現場における従事者の高齢化や担い手の減少、耕作放棄地の増加等といった課題は、全国の農林水産業と共通しています。
関係各所と連携しながら、青年層や女性層、農業以外からの新規参入者、農福連携等、幅広い層の参画を目指していきます。
さらに、外国人材の円滑な受け入れにも積極的に取り組んでいく姿勢です。そうして、新規就業者の確保と継続的な経営のための支援を広げていきます。

消費者の信頼と満足度を高める

製造時に、さとうきびの搾り汁に中和、沈殿等による不純物の除去を行い、煮沸による濃縮を行った後、糖蜜分の分離等の加工を行わず冷却して固めたものを黒糖(黒砂糖)といいます。この黒糖(黒砂糖)については、エリア内での需要や供給に偏りがある、“需給のミスマッチ”の状態が発生しています。
県としては、消費者の信頼と満足度を高めて安定供給を目指すことが今後の目標の一つです。
国内外の消費者の信頼を得られるように、消費拡大と販売促進に向けたきめ細かな支援に取り組んでいきます。

SDGsの取り組み

沖縄県は2021年3月に、新たな県のエネルギー計画となる「沖縄県クリーンエネルギー・イニシアティブ~2050年度脱炭素社会の実現に向けて~」を策定しました。
このイニシアティブは、2050年度の脱炭素社会の実現を目指し、その中間地点となる2030年度までの将来像として「低炭素で災害に強い、沖縄らしい島しょ型エネルギー社会」を掲げ、その実現に向けて再生可能エネルギーの導入拡大等に向けた取り組みのアクションプランを提示するものです。

2022年3月には、国の動向や世界的な潮流を踏まえてSDGsの推進を基本理念として、より高い目標の設定等に向けイニシアティブを改定しています。
取材の中で、エネルギーの観点から県が目指すSDGsの取り組みをお伺いし、多くのSDGグローバル指標を元にアクションを起こされているのだと分かりました。

より環境にやさしいエネルギー利用を模索

「沖縄は地理的・地形的及び需要規模の制約により、大規模水力発電、地熱発電、原子力発電の設置が困難で、再エネ電源の導入に制約がある状況です」と、職員の方は話します。
他の地域は、日本の電力会社間で送電線を通じた相互融通が可能ですが、沖縄は本土と物理的に繋がらないため独立しています。そのため、エネルギーのほとんどが火力発電でまかなわれており、発電に使用する燃料の石炭は、海外から輸入している状況にあります。そこで沖縄電力では、株式会社バイオマス再資源化センターにおいて建築廃材から製品化された木質ペレットを木質バイオマス燃料として有効活用することで、CO2削減に取り組んでいます。
さらに、石炭や石油と比較して、より二酸化炭素排出量の少ない LNG(液化天然ガス) の使用も提唱されています。沖縄県内ではこうした取り組みを増やしながら、持続可能な社会の形成を目指していく考えです。

持続可能な航空燃料(SAF)への考え

2021年、沖縄県で温室効果ガスの排出抑制と気候変動による防止・軽減を総合的に、また計画的に推進するための「第二次沖縄県地球温暖化対策実行計画」が策定されました。計画においては、近年注目されている持続可能な航空燃料(SAF)についても、情報収集を行っていく考えが示されています。
職員の皆様は「SAFは今後ますます重要になると認識している。
県内での取組や国内外の動きに注目したい」と話します。SAFはさまざまな製造方法がありますが、さとうきびから抽出できるバイオマスエタノールを活用して作ることも可能です。
SAFについて、“さとうきびが燃料になるなんて、遠い世界の技術が必要なのではないか”と思われてしまうことがあります。しかし、さとうきびからバイオマスエタノールを抽出する技術はすでに構築されており、この先の工程はそこまで難しくはない技術です。

沖縄県がこれまで大切に育ててきた、さとうきびと、それに関わる知見と技術。今回の取材で、それらを未来に繋げていこうとする沖縄県庁の皆様の想いを強く感じることができました。

次の世代のために一歩前へ進みましょう。

皆様からのご連絡をお待ちしています

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