石垣島製糖株式会社様 | 合同会社AMU経営研究所

石垣島製糖株式会社様

  • 所在地沖縄県石垣市
はじめに

本レポートでは、石垣島製糖株式会社様にインタビューを行い、具体的な事業内容についてお話を伺いました。
創業から60年以上もの間「糖業立 農家と共に歩む」を企業理念に掲げ、沖縄で分蜜糖・糖蜜の製造、販売を実施してきた同社。
現地の農家の皆様とともに歩んできた歴史と熱い想い、持続可能な航空燃料(SAF)についての意見をお聞きしました。

企業紹介

企業概要

企業名 石垣島製糖株式会社
所在地 沖縄県石垣市字名蔵243
創業年 1961年

農家と共に歩んできた歴史

石垣島製糖は創業6年目の1967年、当時琉球政府の糖業合理化対策の命により、八重山製糖株式会社を吸収合併しました。
当時は原料増産に伴い、複数の農家からも「製糖工場を作ってほしい」という要望があがっていたといいます。

「農家の皆さんの想いに応えて一致団結しようという流れが社内に生まれていたようで、会社の規模は拡大。合わせて設備も増強されていきました。激しい時代の流れの中でも、地域と連携して進んでいきたいという先輩方の熱い想いが、この理念に込められているのだと思います」と職員の皆様は語ります。

良質なサトウキビを工場に受け入れる仕組み

石垣島製糖の大きな特徴の一つに、サトウキビ収穫及集荷計画を工場が主導しておこなっていることがあげられます。糖度の高い良質な状態でサトウキビを集めるために、収穫期にはそれぞれの農家からどの位の量のサトウキビが搬入されるかを把握し、工場への受け入れ調整を行います。
収穫の範囲と状況を確認できるGPSシステムを駆使しながら受け入れを進めることによって、溢れて受け入れができない状態を避け、農家の収益化にきちんと貢献できる体制が整えられています。

「担当者は地域内のどこに誰の畑があるか把握していますし、もちろん農家の皆さんのお顔も分かります」。石垣島製糖は日々農家と細かく対話し、共に歩むための努力を重ねているのです。

属人化しないためのシステム導入

システムの導入によって、気象情報の収集や、補助在庫と流通在庫を把握した上で事業計画を立てられるのが、石垣島製糖の強みです。2020年に、以前は手作業で観測していたサトウキビ畑の雨量のデータ収集にIoTを導入しました。
生育、収穫に重要な雨量のデータを自動で収集・可視化することにより、サトウキビの最適な収穫のタイミングを予測することで、収穫機の計画的な稼働や、工場現場作業の効率化を実現しています。他のツールも含めて積極的にデジタル化を進める姿勢で、ベテラン職員に依存しない業務体制が構築されています。

「データが可視化されていて、属人化していない。仮に担当者が体調を崩してしまっても他の職員が状況を把握できるので、働きやすさに繋がっている」と職員の皆様は話します。「どこもそうですが、石垣島全体で担い手不足を痛感している状況です。とはいえ私達はこれからも、基準をきちんと満たしたサトウキビを取り扱っていかなければならない。働きやすい環境は、とても重要だと考えています」。

石垣島製糖株式会社の現在とこれから

「石垣島RUM〈SILVER〉」でみえた新たな可能性

2024年、地元の酒造である請福酒造が石垣島製糖の糖蜜を100%使用した「石垣島RUM〈SILVER〉」を開発しました。
現在は、石垣島内の土産物店等で取り扱われています。職員の皆様は「この新商品の発売は、苦労の結晶」と笑顔で語ってくれました。サトウキビから原料糖だけでなく、島内産のラムを製造できたことで、さらなるサトウキビの可能性を感じられる出来事となりました。

農家がより安心して業務できる環境を目指したい

石垣島製糖は今後、地域の製糖業の処理能力をさらに向上させるため、社内の新工場設立に期待を寄せています。「大規模な計画で資金もかかるため、各所に相談しながら検討できたらと考えています」。
新工場の設立が実現すればサトウキビが豊作の年であっても刈り取りが遅れる心配がなく、より計画的に収穫物の受け入れと製糖が進められると考えています。
「新工場で地域一帯の“製糖業の基盤”をつくることで、農家がより安心して業務できる環境を整えていきたい」と、力強い言葉を聞くことができました。

SDGsの取り組み

製造業と地域の子供を繋ぐ社会科見学

石垣島製糖では、社会科見学の授業の一貫で、地域の小中学校の工場見学を受け入れています。
子供達にとって製糖の様子を間近で見られるだけでなく、バガスと呼ばれる、サトウキビから砂糖やバイオマスエタノールを生産した後に排出される茎や葉などの絞りかすをエネルギーに換えていることも学んでもらう良い機会になっています。

地域の祭りを通して、より会社を知ってもらう

地域の豊作と地域住民の健康を祈願して開催される「四か字豊年祭」。
石垣島製糖も「今期の製糖が無事に終了するように」との願いを込めて毎年参加し、旗がしらと呼ばれる沖縄の応援旗と、太鼓の奉納を行っています。大勢の市民や観光客で溢れる祭に参加する中で、地域の方々との交流も生まれているようです。

「葉ガラ梱包」を利用して赤土の流出を防ぐ

石垣島製糖では、サトウキビ収穫の際に出る葉ガラを収穫後の畑に敷いています。
これは降雨時に、鉄分を多く含んだ畑の赤土が雨で流れるのを防ぐため。赤土が海に流出し、海水を濁らせてサンゴ礁や藻場、水中の生き物などに悪影響を及ぼすのを抑制しています。
さらに、雑草対策や土壌水分の蒸発抑制などの効果もあります。これからも持続可能な“糖業立島”であり続けるために、石垣島製糖は細やかなアクションを一つひとつ、確実に積み重ねています。

持続可能な航空燃料(SAF)について

地域でSAFの製造を実現するためには、これまで以上の資金や労働力が必要不可欠です。

「サトウキビのSAF利用について、反対ではありません。しかし、実際に現場で実施するには、農家や関係各所の皆様にとっても実現可能な計画が必要だと感じています。計画の上で、よりよい形を模索できたらと思います」。
今回の取材の中で、石垣島製糖の農家の方への想いや、製糖工場として地域を支える責任と熱意を、強く感じることができました。

以下の画像を石垣島製糖のサイトより引用しました。

  • 持続可能な航空燃料(SAF)について
  • 持続可能な航空燃料(SAF)について
  • 四か字豊年祭の様子
    四か字豊年祭の様子

次の世代のために一歩前へ進みましょう。

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