農水省のプロジェクト「SDGs対応型施設園芸 事例普及事業」に参画しました
目次
農協や農機メーカーの営業推進員の皆さんにとって「農業法人」はどんなお客様でしょうか。現場を見ていると「実は苦手、営業で回ると気が重い」と考える方が少なくないようです。
苦手の原因は、通常の農家さんとは状況が変わり、売り込むための会話や戦略が異なるから。「家族で運営している農家/農業法人として経営している企業」のそれぞれで対応を分けられればよいのですが、これは日頃から意識しないと難しいでしょう。
また、これは営業推進員の個人努力だけでは克服できない課題です。
今回は「農業法人」への売り込みについて、社内チームでどのように解決すればよいか、管理職や幹部の方がとるべき対処をまとめました。
おそらく皆さんは、大規模農家さんへの営業を強化しようと工夫している真っ最中だと思います。ならば、なおのこと「農業法人」への提案は重視しなければいけません。
今は廃業農家から動ける農家へ農地がどんどん移動していて、どの地域でも「農業法人」の規模が加速度的に年々増しているからです。
これら「農業法人」への営業を成功させるポイントはただ1つ、導入メリットを明確に見せて提示することです。
感覚や雰囲気、情を伝えるのではなく、数値的なメリットを文書にして説得する。この方法しかありません。
そして、社内チームが一丸となって「農業法人」にあたるには、メンバーが説得材料となる文書を作成しやすいよう管理職・幹部が社内環境を整えると効果的です。
まず、営業推進員それぞれの担当にある「農業法人」を洗い出し、自社の商材を導入するとどんなメリットがあるかを明文化します。バラバラで考えるのではなく、情報を共有できるミーティングとして行うのがコツです。
メリットは、平たく言えば「費用対効果」です。何円投資したら何円の得になるか。新商材で時間の節約になるなら、作業時間や人件費がカットできます。性能が改善されているなら修理コストや対応残業代などもカットできるでしょう。それを逐一数字にして表すのです。
商材を購入するコストをかけても、他の部分でコストがカットできるのだと考え、それを管理職・幹部があらかじめ提案書へまとめておきます。こういった情報が「農業法人」にとって価値があるからです。
また「農業法人」にとって融資や資金調達は頭が痛い問題です。
解決できるヒントがあれば、喉から手が出るほど欲しいと考えています。その情報は誰からもたらされても嬉しいものです。
管理職・幹部の皆さんはこれを踏まえて、日々融資や資金調達の情報を集めるようにしてください。
農林中金でこんな補助が出る、日本政策金融公庫でこんな融資が始まるなど、キャッチしたら営業推進員が持ち歩けるプリントにして配布してください。作りは簡単で構いません。渡せる文書があれば、これをきっかけに腰が重い営業推進員も「農業法人」へアタックできるからです。
通常の農家さんと違い、「農業法人」は独自の出荷ルートを持つなど農協とのつながりが薄い傾向があります。そのぶん、皆が知っている情報が回りにくいデメリットも発生しています。自社の営業推進員がそれをカバーできる存在になれば強力です。
同時に、そのための努力をしているメンバーに対しては、結果につながっていなくても過程を褒めましょう。サッカーでも得点者以外のアシストがなければ点は入りません。良い動きをしたら褒められるように、チームに役立つ動きをしたメンバーはしっかり評価します。
「農業法人」の方々にとって価値あるものは「情報」です。管理職・幹部から働きかけて「情報」という武器を整え、営業推進員に渡してあげてください。
次の世代のために一歩前へ進みましょう。
皆様からのご連絡をお待ちしています