エスジーグリーンハウス株式会社

  • 作物クレソン、サンチュ、バジル、リーフレタス
  • 地域福岡県
弊社概況

2007年、弊社は親会社である西部ガス㈱の遊休地の活用を目的として設立された法人です。遊休地の活用方法として、社会貢献度が高く、当時より注目度の高かった水耕栽培での野菜の生産・販売を開始しました。徹底した衛生管理の下、「太陽光利用型」の水耕栽培を行っており、現在はハウス3棟、15000㎡の施設内で、リーフレタス4種を中心にバジル、クレソン、サンチュなどの葉物野菜を栽培しています。

弊社施設

弊社施設

現在、弊社の1日あたり生産能力は18000株となっており、自ら営業開拓した九州・四国・中国のスーパーや、食品加工業者に出荷しています。主力商品は「フリルアイス」「ピュアヴェール」「モコヴェール」「グリーンマリーゴールド」の4種のリーフレタスです。

弊社のリーフレタス

弊社のリーフレタス

弊社の強み

弊社の経営上の強みは、主に以下の2つであると考えております。

1).「太陽光利用型」水耕栽培

当初は「水耕栽培」に対する偏見もあり、「土で作られていない野菜は野菜ではない」との声も多数ありました。弊社では、完全密閉型の植物工場のように人工照明だけで栽培するのではなく、ハウス内に太陽光を取り入れ、曇天時などに不足する光量を、補光ランプを点灯して補っています。太陽光のもとで栽培された野菜であることから当初より消費者の抵抗感が少なく、販売開始当初より販路を広げることができました。また、太陽光を取り入れることで結果的に、ハウス内の電力使用量も抑えることを実現しています。

2).親会社の設備導入支援

エネファーム

エネファーム

西部ガスグループに所属していることから、親会社である西部ガス㈱が持つ様々な省エネ設備を積極的に導入できる環境にあります。施設内には、天然ガスから電気とお湯を作り出す「エネファーム」や太陽光発電パネル、ガスエンジンヒートポンプ、マイクロコージェネレーションなど数多くの省エネ設備が導入されており、地球にやさしい取り組みが推進されています。

SDGsの取り組み

弊社が現在取り組んでいるSDGs(省エネ関連は後述)のターゲットと内容は、次の4つとなります。

1).2.4「2030年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。」

1年を通じて環境制御が可能な水耕栽培施設では計画生産が可能であり、安定した食糧生産・供給のできる持続可能な農業の推進に貢献しています。

2).10.2「2030 年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、経済的地位やその他の状況にかかわらず、すべての人々に社会的・経済的・政治的に排除されず参画できる力を与え、その参画を推進する。」

弊社では、社会福祉法人 北九州市手をつなぐ育成会 インクル若松と請負契約を締結し、ハウス内作業の一部を業務委託しています。(就労継続支援B型事業)

3).12.5「2030 年までに、廃棄物の発生を、予防、削減(リデュース)、再生利用(リサイクル)や再利用(リユース)により大幅に減らす。」

同じ北九州市にある「株式会社ウエルクリエイト」と提携を結び、レタス栽培で発生する食品廃棄物の一部(約110t/年)を堆肥としてリサイクルしています。また、商品規格で取り除いた葉(約17t/年)は、カット野菜などの業務用商品として販売し、食品ロス削減にも貢献しています。

4).15.1「2020 年までに、国際的合意にもとづく義務により、陸域・内陸淡水生態系とそのサービス(※13)、特に森林、湿地、山地、乾燥地の保全と回復、持続可能な利用を確実なものにする。」

養液として使用した水は、殺菌・追肥後、リサイクルすることで、水資源をムダにしない循環システムを取り入れています。また、商品運搬に使う段ボールにも古紙配合資材(90%以上)を使用し、資源のリサイクルを推進しています。

弊社の栽培施設

弊社の栽培施設

選別作業の様子

選別作業の様子

省エネへの取り組み

弊社の省エネへの取り組みのターゲットは以下の通りです。

7.2 「2030 年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に増やす。」

7.3 「2030 年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる」

3.9 「2030年までに、有害化学物質、並びに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる」

8.4 「2030年までに、世界の消費と生産における資源効率を漸進的に改善させ、先進国主導の下、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組みに従い、経済成長と環境悪化の分断を図る」

ターゲットに紐づく具体的な取り組み内容は以下の2つとなります。

1).太陽光利用型水耕栽培

大きな電力を使わず太陽光によって野菜を栽培することで、エネルギー使用量の削減に貢献しています。また、コンピューターでハウス内の環境を常にモニタリングできるようになっており、遮光カーテンや補光ランプの点灯も自動化することで無駄を極限まで減らしています。

2).省エネ設備を積極的に導入

ガスエンジンヒートポンプ(GHP)を導入することで、一部施設内の空調にエネルギーロスの少ない天然ガスを使用し、電力ピークカットに貢献しています。また、電気と熱を有効に作り出す省エネルギーシステム(エネファーム・マイクロコージェネレーション)を導入しています。加えて、使用電力の一部を施設内に設置したソーラーシステムによって発電することで、CO2削減に貢献しています。

GHP

GHP

マイクロコージェネレーション

マイクロコージェネレーション

西部ガスグループビジョン2030に基づき、当社施設内でもカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを推進しています。

その他

商品パッケージの印刷においても環境にやさしい植物由来成分を含むボタニカルインキを変更することで、従来の石油系溶剤の使用を抑制し、CO2排出量の約10%削減を達成しました。

結論

「食の安全・安心を提供し、人をよく育もう。」という理念のもと、積極的に省エネ設備の導入や、全社的なSDGsへの取り組みを推進していることが印象的でした。企業理念が事業戦略に落とし込まれ、持続可能な農業を実現している好事例でした。

次の世代のために一歩前へ進みましょう。

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