イノチオみらい株式会社

  • 作物ミニトマト
  • 地域愛知県
当社概況

イノチオグループは1909年に愛知県渥美郡田原町で「石黒薬局」として始まりました。

石黒薬局は農薬、農材業界にビジネスを拡大し、現在の農業を総合的に支援するグループに発展しました。

「自分のいのちは、世のため人のため、他に尽くすためにあるとしか思えない」そう語った創業者の想いを大切に、農業分野での持続可能な循環型社会の実現のため、環境にやさしく人に配慮した農業の実践と、新たな農業技術の開発、普及を行っています。

同グループの中でも当社の「イノチオファーム豊橋」では、愛知県の施設園芸をより一層進行するため、次世代施設園芸推進コンソーシアムを組織し、地域の先進的技術普及の一翼を担うことを目指しています。

イノチオファーム豊橋 空撮風景

イノチオファーム豊橋 空撮風景

イノチオファーム豊橋では、3.6haの栽培棟でミニトマトの生産を行っており、高度な環境制御技術により計画的、安定的な生産を実現しています。

最適な環境の中で、たっぷりと太陽の光を浴びたミニトマトは、鮮赤色で美しいツヤがあり、果形はきれいな球形で、生鮮ミニトマトで日本初の「機能性表示食品」の届出をしています。

また、年間収量は21t/10aを達成しましたが、現在は過剰生産をせず、外気導入と夜間冷房をすることで夏越し栽培を確立させた周年収穫の計画生産に切り替えるなど、地域の先進的技術普及の一翼を担っています。

機能性表示食品「野菜で元気GABA」ミニトマト

機能性表示食品「野菜で元気GABA」ミニトマト

当社の強み

当社の経営上の強みは、主に以下の2つあると考えられます。

1). グループ全体でのSDGsへの取り組み

経営理念「全社員一人ひとりの成長と、生活を支え、やり甲斐のある仕事を実現し、お客さま、地域社会に役立ち、持続可能な循環型社会の実現に貢献します。」にあるように、イノチオグループ全体で、積極的なSDGsの取り組みを推進しています。
特に、持続可能で循環型の農業を実現すべく、様々な技術開発と先進技術の普及に取り組んでいます。

2). GLOBAL G.A.P.認証圃場

GLOBAL G.A.P.は GFSI(国際食品イニシアチブ)が認める認証制度の一つで、イノチオファーム豊橋は持続可能な農業を実践しながら世界基準に適合した作物を栽培する補助として、2017年4月にGLOBAL G.A.P.認証を取得しました。

当社の圃場

当社の圃場

SDGsの取り組み

当社が現在取り組んでいると考えられるSDGs(省エネ関連は後述)のターゲットと内容は多数あるものの、代表的なものは次の3つとなります。

1). ターゲット2.4「2030年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。」

先進的な技術を積極的に取り入れ、徹底した環境管理を行うことで生産性向上を実現しています。
具体的には、複合環境制御装置「エアロビート」によりハウス内の環境をモニタリングし、各設備を複合して制御しています。
また、培地重量センサ「スラブサイト」により、培地内水分をモニタリングし、潅水制御システム「アクアビート」による潅水・液肥管理に活用しています。

エアロビート

エアロビート

スラブサイト

スラブサイト

2). ターゲット4.4「2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。」

当社では、従業員の働きやすい環境づくりを追求しています。

具体的には、パート従業員は家庭を持つ女性が多いことから、始業時間を8:00,8:30,9:00と3つの時間帯から選べるようにし、終業時間は各々の都合に合わせた設定としています。

作業道具置き場

作業道具置き場

また、半年毎に全従業員に対して面談を行うことで従業員の意見を聞き、雇用環境の改善に勤めています。従業員の意見を取り入れ改善した事例として、道具を共用から個人管理とすることで道具の管理状況が改善されたことが挙げられます。

また、農業法人を含む民間企業、公的機関、教育機関等からの研修や社会見学等を積極的に受け入れて、農業技術やGAP・SDGsへの取り組みを紹介するなど「農育」にも取り組んでいます。

3). ターゲット6.3「2030年までに、汚染の減少、投棄の廃絶と有害な化学物・物質の放出の最小化、未処理の排水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模で大幅に増加させることにより、水質を改善する。」

当社では、余剰溶液(排液)を回収し、ろ過・殺菌後、再利用しています。
また、場内の排液は浄化センターで最終処理され、有害物質を排出しない仕組みとなっています。

省エネへの取り組み

当社の省エネへの取り組みのターゲットは以下の通りです。

  • ターゲット7.3 「2030 年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる」
  • ターゲット12.2 2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。

ターゲットに紐づく具体的な取り組み内容は以下の2つとなります。

1). 浄化センター放流水熱の利用

イノチオファーム豊橋では、隣接する浄化センターからの放流水(19℃)を熱源として活用し、従来型暖房のみと比較し重油消費量の30%削減を目指しています。
同装置は、地中に埋設された直径80cmのポリエチレン管の外周に放流水を流し、管内部に空気を送り込むことで温風を取り出すことのできる省エネ型暖房システムです。

生産効率の向上

上述の取り組みや内気循環や外気の取入れ、生育が促進される時間帯に限定した炭酸ガス施用などの栽培技術の組み合わせにより、トマト1kgあたりの生産で発生するCO2排出量(化石燃料・電力等をCO2換算)を5年間で約6割削減しています。

栽培の様子

栽培の様子

結論

現時点でもかなり高い水準で持続可能な農業を実現しているにも関わらず、さらに高みを目指し、研究開発を続けるのと同時に、積極的に従業員の声を聞き、改善につなげている点が印象的でした。
企業理念が持続可能な農業に直結していることがわかる事例でした。

次の世代のために一歩前へ進みましょう。

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