このような取組みの結果、継続的な運営に十分な来園者数を確保することに成功しています。
6次化の一形態である観光農園事業を今後も強化したいと考えており、新たに「アスパラガス」等を取り扱うことを検討しています。
その他、地域内の他の生産者との連携も検討中です。
現社長の福永彰氏の家系は代々農業を営んでおり、彰氏は16代目です。20歳の頃から農業に従事し、2001年(平成13年)に法人化しました。
昨今、後継者不在や経営難で廃業してしまう農家が多い中、当社は「持続可能な農業」を経営理念に事業を営んでいます。
当初はネギを栽培していました。
しかしながら競合の出現もあり、現在は主力品目をパオ(サンチェ)に転換しています。
その他、サラダほうれん草やリーフレタス等、多種多様な品目を取り扱っています。
栽培方法は水耕栽培で、施設面積は合計約4.2haです。当社の販売先は名古屋から鹿児島にまでわたり、大手外食チェーンやスーパーとの直接取引も実現しています。その結果、従業員数は約100名(グループ会社含む)となるまで成長しています。
ハウス外観
ハウス内観
当社の強み以下の3点です。
安定供給を阻害する大きな要因として病気や虫の被害が挙げられます。過去、効率性を重視して、監視カメラを用いて作物の状態を観察していたこともありましたが、上手く行きませんでした。その為現在は、毎日社長が作物の状態を観察し、対応を行っています。
また、「必要なものは使う」ということを大切にしています。コスト削減のために、夏場にチラーユニットを切り、ハウス内の温度が高くなりすぎたり、十分な肥料を与えなかったりすると生育に大きな影響が出ます。当社ではそのようなことは行わず、生育を優先させています。このような取組みの結果、安定供給を実現しています。
上記のように安定供給ができる結果、外食チェーンをはじめとする大手企業と直接取引を実現しています。当社の販売先は市場もありますが、直接取引が大部分を占めています。
当社では「再生産価格」を重視しています。具体的には「この品目はこの値段」という様に「値決め」を行って販売しています。これにより、市況に大きな影響を受けず、安定的な価格で販売することが可能となっています。
なお、当社では「新たな品目」を提案する販売活動も行っています。このような提案型営業も価格競争に陥らない秘訣だと考えられます。
様々な種類のパオ(サンチェ)
当社のSDGsに寄与する取り組みは以下の通りです。
安定的な品質・数量の作物を世の中に供給しています。安定的な数量を供給することで、価格の安定に寄与しています。
当社の従業員の約9割は女性です。日々の労働時間を自由に調整できるフレキシブルな勤務体系とすることで、子育てをする女性が働きやすいよう配慮しています。
一方で、一日で出荷をしなければならない数量があります。
そのため、人員数にはある程度余力を持たせて運営をしています。
また、当社ではそれぞれの従業員の役割を明確にしています。これにより、「仕事に早く慣れる、作業スピードが向上する」等の効果が出ています。
結果的に「働きがいの向上」にも繋がっていると考えられます。
当社が位置する山口県下関市は対馬暖流の関係で他地域よりも暖かい点が特徴です。
そのため、ハウス全体を温める必要はありません。
水耕栽培の水温を調整すれば、問題なく栽培できます。そのため、一般的な園芸施設よりエネルギーの使用量は少ないです。
ボイラー(水温調整)
チラーユニット(水温調整)
一方で、ヒートポンプを導入し、灯油の使用量を削減する等省エネへの取り組みも行っています。
当社ではグループ会社にて観光農園も運営しています。現在の取扱品目は「いちご」と「ミニトマト」です。キッズスペースを設ける等、家族で来園しやすい環境を整備しています。
このような取組みの結果、継続的な運営に十分な来園者数を確保することに成功しています。
6次化の一形態である観光農園事業を今後も強化したいと考えており、新たに「アスパラガス」等を取り扱うことを検討しています。
その他、地域内の他の生産者との連携も検討中です。
いちご狩りのいちご
経営理念である「持続可能な農業」を実現するためには、経営の安定化が不可欠です。そのために、福永社長はシステム・種苗メーカーや関東圏との生産者から積極的に情報収集を行い、良い情報は積極的に取り入れています。
こうした取組みが、当社の成長を支えていると感じました。また、SDGsの取り組みについては今後、太陽光や蓄電設備等を導入出来たら良いとのことでした。
次の世代のために一歩前へ進みましょう。
皆様からのご連絡をお待ちしています