上原俊一

  • 作物マンゴー
  • 地域沖縄県
当社概況

お父様が他界されたことをきっかけに、家族の収入源の一部として1985年頃から、兼業農家として就農を開始しました。
当時はサトウキビを主に栽培しておりました。
しかしサトウキビの取引価格が下落しはじめた為、長く興味を抱いていた「熱帯果樹」の分野に挑戦。1990年頃から「レイシ」栽培を始めました。しかし、台風などの影響で安定性がないことから1995年頃に「マンゴー」栽培を開始。2005年に当時勤めていた会社を辞め専業農家となりました。

現在、温室は11棟で合計面積は1100坪。主な栽培品目はマンゴーで、直近の反収3tとなっています。また、販路は全て農協です。

ハウス外観

ハウス外観

ハウス内観

ハウス内観

当園の強み

当社のマーケティングにおける強みは、沖縄県の農業改良普及センターと連携を取りながら品質向上を図り、秀品率を上げ続けていることにあります。その具体的な取り組みを2つほど挙げます。

1). 低木栽培を取り入れることで木の高さを揃え、陰の部分を減らし、植物に太陽光が均一に当たるよう努めています。

2). 提灯のように「袋かけ」することで、雨水の侵入を防いでいます。これにより、梅雨の時期にはビニールを外すことができ、雨水による灌水と光の乱反射による色付けを両立させています。

3). 摘果作業は、菌の付着を防ぐためにハサミの使用は極力控え、手で行っています。

4). 天敵昆虫を導入し、病害虫対策を行っています。

SDGsの取り組み

当社が現在取り組んでいると考えられるSDGs(省エネ関連は後述)のターゲットと内容は、次の4つとなります。

1). ターゲット6.3「2030年までに、汚染の減少、投棄の廃絶と有害な化学物・物質の放出の最小化、未処理の排水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模で大幅に増加させることにより、水質を改善する。」

前述のとおり、病害虫対策に天敵昆虫を使用することで、減農薬対策を行っています。

2). ターゲット6.4「2030年までに、全セクターにおいて水利用の効率を大幅に改善し、淡水の持続可能な採取及び供給を確保し水不足に対処するとともに、水不足に悩む人々の数を大幅に減少させる。」

灌水について灌水装置を自作しまた、井戸水や雨水を有効活用することでコスト削減と節水に努めています。

3). ターゲット12.5「2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。」

市場出荷できないものはご近所に配ることで、廃棄ロスの削減につとめています。
またハウスの資材も、古いハウスから使える部材を再利用しています。

省エネへの取り組み

当社の省エネへの取り組みのターゲットは以下の通りです。

ターゲット7.3 「エネルギー効率を向上させる」

ターゲット3.9 「2030年までに、有害化学物質、並びに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる」

ターゲット8.4 「2030年までに、世界の消費と生産における資源効率を漸進的に改善させ、先進国主導の下、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組みに従い、経済成長と環境悪化の分断を図る」

ターゲットに紐づく具体的な取り組み内容は以下のとおりです。

1). ボイラー使用時間を意識的に減らしています。2重被膜などの取り組みの結果、ここ近年では年間を通してボイラーを使用していません。又、除湿に関しましては換気扇を導入しています。これらにより無駄なエネルギーコストの削減に努めています。

換気扇内部

換気扇内部

換気扇外部

換気扇外部

2). 剪定枝を土に撒くことで自然沈下を促し、CO2排出の削減に努めています。

コストに対する強い意識が、当社のSDGs対策に繋がっています。

その他

当社は今後、「80歳でも出来る農業」を目指しています。
その為に、現在のマンゴーの他にも比較的労力の少ない「アテモヤ」や「パッションフルーツ」など栽培品目を広げていきたいと仰っていました。また研修生の積極的な受け入れ、視察等の対応を行いながら後継者育成にも力を入れていきたいとも仰っていました。

結論

就農当初から「熱帯果樹普及組合」の事務局を務めるなど、熱帯果樹を県内に広めたいという想いが強いと同時に経営に対する意識も高く、そのことがSDGsに対する取り組みにも繋がっていると感じました。

次の世代のために一歩前へ進みましょう。

皆様からのご連絡をお待ちしています

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