沖縄県N氏

  • 作物キュウリ、ゴーヤ
  • 地域沖縄県
当社概況

2018年に前職の看護師を定年退職し、その後就農しました。
農業に興味を持っていたご子息が、国の補助事業を活用し祖父の土地に温室ハウスを建設し兼業で農業を行っていました。ご子息が一人で管理するのは大変だろうと思ったことが就農のきっかけとなりました。

現在、温室は2連棟×3で合計面積は17a。栽培品目はキュウリとニガウリで、直近の反収はキュウリが6t、ニガウリが3tとなっています。また、販路は全て農協です。

ハウス外観

ハウス外観

ハウス内観

ハウス内観

当園の強み

当社のマーケティングにおける強みは、沖縄県の農業改良普及センターと連携を取りながら品質向上を図り、秀品率を上げ続けていることにあります。その具体的な取り組みを2つほど挙げます。

1). 天敵昆虫を導入し、病害虫対策を行っています。

2). 従来の摘心栽培から、吊り下げ型摘心栽培(つるおろし栽培)に仕立てを変更しました。

また、これとは別にご自身のバックボーンが看護師であることから、人を見ている視点で農業ができるといったことも秀品率の向上に繋がっているかもしれません。

SDGsの取り組み

当社が現在取り組んでいると考えられるSDGs(省エネ関連は後述)のターゲットと内容は、次の4つとなります。

1). ターゲット6.3「2030年までに、汚染の減少、投棄の廃絶と有害な化学物・物質の放出の最小化、未処理の排水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模で大幅に増加させることにより、水質を改善する。」

前述のとおり、病害虫対策に天敵昆虫を使用することで、減農薬対策を行っています。また安心・安全の観点から化成肥料のみに頼るのではなく、有機肥料も併用し排出窒素の削減につとめています。

2). ターゲット6.4「2030年までに、全セクターにおいて水利用の効率を大幅に改善し、淡水の持続可能な採取及び供給を確保し水不足に対処するとともに、水不足に悩む人々の数を大幅に減少させる。」

灌水はシステムに頼ることなく、栽培状況にあわせた手掛けを心がけることで節水に努めています。

3). ターゲット12.5「2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。」

秀品率を向上させることで、規格外品を減らすことにつながっております。そして市場出荷できないものもC品出荷やご自身で食べることで、廃棄ロスの削減につとめています。

省エネへの取り組み

当社の省エネへの取り組みのターゲットは以下の通りです。

ターゲット7.3 「エネルギー効率を向上させる」

ターゲット3.9 「2030年までに、有害化学物質、並びに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる」

ターゲット8.4 「2030年までに、世界の消費と生産における資源効率を漸進的に改善させ、先進国主導の下、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組みに従い、経済成長と環境悪化の分断を図る」

ターゲットに紐づく具体的な取り組み内容は以下のとおりです。

1). 無加温栽培の採用

6月~11月の気温が上がる時期を「緑肥」「太陽熱土壌消毒」にあて栽培を行わないことで冷房設備を使う必要がなく、無駄なエネルギーコストの削減に努めています。
また、低温期の栽培ではハウス内側の側窓を2重にし、直接冷たい外気に作物が接しないで換気ができる工夫をしている。

収益性を追求した取り組みの積み重ねが、当社のSDGs対策に繋がっているようです天敵昆虫の導入も過去にウイルスで作物をダメにしてしまった経験のものであり、無加温栽培も酷暑での作業は生産性が落ちるとの経験からくるものでした。

その他

当社は今後5年で売上規模を現在の1.5倍を目指しています。
これからも収益性を上げる取り組みを、農業改良普及センターと連携しながら行っていき、しっかりと経営基盤ができた状態で、ご子息に承継したいと仰っていました。

結論

社長はご自身を「新規就農者」として捉えており、「実績も失うものもないから、新しいことにどんどんチャレンジしていきたい」と仰っていたのが印象的でした。
このマインドセットが「良いものは良い、無駄なものは無駄」と割り切りを効率的に行い、秀品率の向上に寄与していると感じました。

次の世代のために一歩前へ進みましょう。

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