当社の創業は2008年、滋賀県近江八幡市浅小井町において先代の社長である松村務氏が浅小井農園株式会社を設立しました。
地方公務員であった松村氏は、栗東市役所を早期退職し、農業に参入します。
一級建築士でもある松村氏は、先進的な環境制御型農業を行おうと、農林水産省の事業を活用し県内最大規模のハウスを建築してトマト栽培を始めました。また、正しい農業の手順が書かれているJ-GAPを自社の手順として導入すべく、滋賀県初J-GAPを取得します。
その他、SDGs宣言を実施するなど、新しいことにも積極的に取り組んできました。
現社長である関澤征史郎氏は元銀行員で、銀行員時代、渉外課長として様々な経営者と会う中で、御自身も経営者側に立つことを考えるようになりました。
農業を選んだのは、食に対する関心が高かったことに加え、補助金や融資の優遇措置など他産業に比べ支援が充実しており、起業しやすいと考えたことによります。
関澤氏は、人間が植物をある程度コントロールできる環境制御の栽培方法に興味があったため、新規就農にあたり環境制御で栽培を行っている当社を紹介してもらい、研修生として入社しました。
その後、当社が後継者不在であることを知り、先代松村氏に事業承継について尋ねます。
「後継者が見つからなかったら建物を壊して土地を地主に返せばよい」との返答に関澤氏は、朝恋トマトのブランド価値や再建築価格1億円以上の施設のことなどを考え、当社をなくすのは経済的損失が大きすぎると思い、プレゼン資料を作成、御自身が後継者になることを松村氏に提案します。
松村氏は驚きつつも歓迎してくれ、2020年第三者継承により関澤氏が当社の社長に就任しました。
先代社長松村務氏と現社長関澤征史郎氏
当社の強みは、先代社長と現社長の得意分野の融合です。
例えば、先代社長が築き上げた「朝恋トマト」のブランド価値を維持しつつ、現社長は元銀行員としての手腕を発揮し、販路拡大、生産性向上等により、経営基盤を固め、時代の流れに乗りスピーディーに事業を展開しています。
施設内は、先代社長の工夫が散りばめられており、この施設をフル活用して、現社長が更なる効率化に努めています。
ブランド化された「朝恋トマト」
先代社長が制作した工具掛けボード
SDGsの取り組みとしては、先代社長がSDGs宣言を実施、現社長もSDGs宣言企業として新たな取組みを始めています。
まず、先代社長の時代より、自社に天ぷら油回収ステーションを設置し、近隣住民の廃棄物の再生利用を促進してきました。自社のハウスの暖房機も、廃食油暖房を活用することにより重油の使用を抑え、廃棄物の発生を削減しています。
現社長に代わってからは、廃棄トマトを絵の具に再生する取組みを始めました。この他、商品化できない割れトマトを近隣の飲食店に提供しています。これらの取組みにより、廃棄物の発生削減に貢献しています。
栽培に関しては、バイオスティミュラント資材の使用により、化学農薬の使用量を削減、人の健康や環境への悪影響を最小化しています。
バイオディーゼル燃料のリサイクル
廃食油暖房機
廃棄トマトから作られた絵の具
割れトマトの近隣レストランへの提供
ICT技術を生かした統合環境システムによる施設園芸を行うことで、徹底的に無駄を省き、生産性を向上しています。
新事業として、女性専用AIフィットネスジムを開設しました。食と運動で近隣住民の健康を促進します。
女性専用AIフィットネスジム
上述のとおり、廃食油暖房機を活用、また統合環境システムにより無駄を省き、CO2排出量を削減しています。
当社は、先代社長が宣言したSDGsを、現社長も引き継ぐ形で実直に取り組んでいます。
天ぷら油回収ステーションの設置や廃食油暖房機の活用だけでなく、栽培管理において、気温、温度、湿度、CO2濃度、日射量等を記録することで見える化し、最適化を図っています。
この日々の取組は、経営を改善するだけでなく、CO2の排出量削減にもつながっています。
次の世代のために一歩前へ進みましょう。
皆様からのご連絡をお待ちしています