当社は、2006年(平成18年)に設立し、輪ギクと洋花、ほうれんそうなどの作付けサイクルを確立し、ハウス規模1,260坪から事業を開始しました。
設立前、親元に就農し稲作とキク栽培を学び、その後、半年間、輪ギクの産地である福岡県八女市の農家の下で栽培技術と大規模経営を研修しました。
就農の背景は、高齢化する秋田県の地元を盛り上げるため、「自分たちが効率的な農業を実践することで、下の世代につなげる事ができる。」と言う強い想いからです。そして、輪ギクの栽培において、当社は生産者のプロであることを信条とし、現在、15棟の温室施設、5,300坪で年間32万本の輪ギクを安定生産しています。
輪ギクと洋花、ほうれんそう栽培をするハウスの外観
輪ギクと洋花、ほうれんそう栽培をするハウスの施設内
当社は、地の利として、夏場の寒冷な環境がキク栽培に適しており、南日本に比べ、暑さのストレスが小さく、キクが1週間ほどに長持ちする性質があります。
キクの需要の多い、お盆や彼岸の時期には、他地域と大きな差別化ができます。
また、周年での収入確保を実現するために、冬期は、低温でも生育・開花・収穫できる花きや葉物野菜を導入しています。
暖地に比べて栽培適期が短いため、挿穂を土に直接挿して発根・活着させる「直挿し栽培」や、1本の挿穂から1本の切り花を収穫する「無摘心栽培」の技術を導入し、生育期間を短縮し、ほ場の回転率を上げています。
更には、品質管理が難しい密植栽培において、冷蔵処理した挿穂の利用や適切な水分と温度管理、ホルモン処理技術を活用し、均一な生育を確保し、高い品質を誇っています。
キクの直挿し栽培の被覆作業
キクの密植栽培のほ場
SDGsの取り組みは、「ゴール7.エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」「ゴール11,住み続けられるまちづくりを」を主なテーマして、注力しています。
エネルギーの効率化のため、灌水の自動化による水の節約や遮光シートで、夏場の直射日光を避け、夏場の作業環境の改善している点があります。
また、地域の技術向上のため、2014年(平成26年)にJA秋田みなみ花き部会長に就任し、研修先とのパイプを活かし、国内最先端の栽培技術や資材情報などを普及。
バラバラであった部会の技術を統一・体系化したほか、新品種の試作試験などにも積極的に取り組みました。
更には、2015年(平成27年)に本格的な栽培を開始した「男鹿・潟上地区園芸メガ団地」では、開始当初、6名のうち4名が新規栽培者であり、自身と仲間の2名が指導役となり、団地内の栽培上の課題の共有や技術の連携強化行い、栽培技術の平準化に努めました。
花き連きく部会 試作試験場
花き連きく部会 研修会
省エネの取り組みは、電照のLED化を導入補助金が始まる前から、いち早く採用しました。
導入前にLEDメーカーの仕様やデータを鵜吞みにせず、自社のハウスで蛍光灯との比較をテストし、栽培面の問題がないことを確認し、利用を開始ました。
結果として、消費電力を23Wから9Wに大幅に減らすことができ、加えて、LEDは蛍光灯に比べ長寿命のため、交換作業の負担軽減に繋がりました。
LEDによる電照の様子
使用中の赤色と白色のLED
自社での輪ギク栽培に加えて、「JA秋田みなみ花き部会長」として地域の技術力向上への貢献や、「男鹿・潟上地区園芸メガ団地」の発展の取り組みが評価され、2019年度(令和元年度)ふるさと秋田農林水産大賞において、【担い手部門:経営体の部(個別経営)】農林水産大臣賞・農林水産大賞を受賞の機会を頂きました。
当社は、秋田県の気候の特徴を活かした輪ギクの施設栽培に関し、安定生産を重視し、経営しています。
また、「自分たちが効率的な農業を実践することで、下の世代につなげる事ができる。」という強い想いがあり、就農経験の浅い若手への指導にも注力しています。
SDGsや省エネの取り組みも、この強い想いを起点にし、「地域の発展のためのJA秋田みなみ花き部会の活動」、「エネルギー消費を低減する技術や品種の選択」を積極的に行っています。
次の世代のために一歩前へ進みましょう。
皆様からのご連絡をお待ちしています