1973年に現相談役の大西隆氏が実家の農園を継ぎ、バラ苗の生産を始めました。
当初は10a程度のパイプハウスで栽培を始め、年間20万本程度を生産していましたが、バラ苗生産は手作業が多く重労働であり、栽培開始から15年程度経った時に体調を崩し、一時期は生産からの撤退も考えていました。
1990年頃、当時栽培面で指導を受けていた大学研究者の紹介でオランダ農業の視察に行き、効率的な生産システムを学んだことが転機となりました。
現在は子供たちが経営に携わっています。また、MPS(花き生産総合認証) を取得し、4つの生産拠点を持ち、合計2haの栽培面積で年間200万株のバラ生産を行っています。
有限会社 セントラルローズ 大西氏
一番の強みはバラの安定生産、供給が可能であり、そのため顧客の信頼を勝ち取っていると考えています。
その他に、ポッティングマシーンでの土詰め・挿木・温室間の移動・出荷用台車への積載など一連の作業工程がライン化され、労働時間の大幅な短縮を実現しています。
ポッティングマシーン
薬剤散布に自動システムを導入し、作業にあたる社員の健康管理に配慮を行っています。
プールベンチによる生産
妻の由美子氏も岐阜県女性農業経営アドバイザーの初代会長として、女性の経営参画推進に貢献しており、障害者の自立支援活動も行っています。
エブ&フロー方式のプールベンチによる自動潅水で均一に溶液が行渡ります。
溶液は循環型であり、排液を垂れ流すことがなく、環境に配慮できています。これはMPSを取得することに繋がっています。
バラ栽培には暖房が必要ですが、過去に燃料費が高騰した際に全ハウスに国産のヒートポンプを40台導入し省エネを図っています。
施設を充実させ、温度を保てるようにし、重油を少しでも削減できるように取り組んでいます。
主力商品 ミニローズ
当社はオランダの施設園芸の仕組みに大きな影響を受けています。
オランダの施設園芸は無駄をなくし、いかに効率よく生産するかが基本です。今も新しい施設や設備の勉強のためにオランダに出向いています。狭い国土で農業経営に取り組み、さらなる発展を目指すことは日本もオランダと同様であり、見習うべきところは多数あると考えています。
施設園芸は燃油の高騰などの外部環境の変化もあり、いつも世界情勢に注視している必要があると考えています。
また、近年は新しい施設の環境制御が注目されています。以前の農業は長い経験と勘で栽培されていたことがほとんどでした。
しかし現在は温度、湿度、光、CO2、空気の流れなど、栽培する植物の持つ力を十分に発揮させることにより、多収穫を得る時代になっています。
そのため、データ取りを行い経営に生かしていくことが大事であると感じています。
次の世代のために一歩前へ進みましょう。
皆様からのご連絡をお待ちしています