このような点が評価され、品質を重視する老舗仕出し弁当店と取引するに至っています。また、収穫時に汚れた茎や外葉を取り除く「トリミング」を行うことで、家庭でごみが出ないよう配慮しています。
その他、レッドリーフレタスの場合、午前中は赤色のLEDを照射し、午後は青色のLEDを照射することで適度なストレスを与え、色合いを良くするといった工夫を行っています。
伊勢菜園は電気機械器具・電子機器の製造組立を行う小橋電機株式会社の植物工場部門として、2012年に事業を開始しました。そして「お客様の満足を第一に考え、地球の自然環境と安全を守り「食」を通じて人々に感動と幸福を与え自由な研究、技術、サービスにより、地域社会に貢献する」という経営理念のもと、植物工場を運営しています。
当社の創業者小橋英夫氏の実家は京都で代々農業を営んでいました。英夫氏も幼い頃から実家の農作業を手伝っていたこともあり、いつか「電気」で培った技術を活用して農業に貢献したいとの想いを持っていました。このことが、植物工場を開設したきっかけです。第1工場開設後は2013年に 第2工場、2019年に第3工場を開設し現在に至ります。
植物工場内部
主力商品はフリルレタスで、1日当たり約1,800株生産しています。その他、レッドリーフレタス、スイートバジル等を栽培しています。販売先は生活協同組合と卸売会社です。卸売会社からはホテルや老舗仕出し弁当店に販売されています。
フリルレタス レッドリーフ スイートバジル
当社の強みは以下の3点です。
完全制御型の植物工場のため、種まきから36日後に安定的に収穫することが可能です。
また、無農薬で栽培される他、工場内は外と隔離された閉鎖的空間のため微生物菌も少ない点が特徴です。微生物菌が少ないことで、日持ちが良く、冷蔵庫で2週間程度持つと言われることもあります。
レッドリーフレタスの栽培(青色LED照射時)
このような点が評価され、品質を重視する老舗仕出し弁当店と取引するに至っています。また、収穫時に汚れた茎や外葉を取り除く「トリミング」を行うことで、家庭でごみが出ないよう配慮しています。
その他、レッドリーフレタスの場合、午前中は赤色のLEDを照射し、午後は青色のLEDを照射することで適度なストレスを与え、色合いを良くするといった工夫を行っています。
自社開発の制御盤
当社の本業は電気機械器具・電子機器の製造組立です。そのため、EC値やpH値を自動制御する装置は自社で設計開発しました。
また、野菜ごとに最適なLEDの波長は異なるため、当社では野菜ごとに最適なLEDを自社で研究開発し、中国の関連会社で製造したものを使用しています。その他の設備の大部分についても自社開発です。結果的に栽培に最適な環境を整えることに成功しています。
なお、自社グループから設備を調達していることにより、コスト削減やトラブル時の対応が早いといったメリットも得られています。
開設当初は集中的に、本業の工場部門から人を派遣してもらい、生産工程の効率化に取り組みました。
例えば「荷物を運んだ帰りに手ぶらではなく、何かを運びながら帰る」等の改善です。本業の強みを活用した取り組みだと言えます。
当社のSDGsに関連する取り組みは以下の通りです。
生産工程の見える化/品質管理等を行うことで、持続可能な食糧生産システムを構築しています。
本業でISOを取得していたこともあり、工程管理や標準化は当然との考え方が根底にありました。このような背景もあり、J-GAPを取得しました。
生産工程の効率化は必要なことですが、従業員が働きやすい環境にすることも重視しています。工場内は気温25-26度、湿度80%の環境です。作業員はその環境でクリーン服を着て作業しなければなりません。
クリーン服を着た作業の様子
また、従業員の多くは50-60歳代の高齢者です。そのため、熱中症には細心の注意を払うことが必要です。そこで、当社では水分補給を自由に行うことをルール化しています。
近隣の福祉施設等から職場体験や職業訓練の依頼が多くあります。
当社ではそれを積極的に受け入れ、職場体験・職業訓練の場を提供しています。また、現在、障害をもった方を1名雇用しており、今後も雇用する計画があるとのことです。
工場内は外と隔離された閉鎖空間のため、害虫が入ってきません。
そのため、無農薬での栽培が可能となり、水質汚染防止に貢献しています。
省エネに関しては以下のような取り組みを行っています。
当社では省エネは勿論の事、広くSDGsの取り組みを行っています。本業の「製造業」では生産工程の効率化が重要なミッションです。
一方で、それに偏ることなく従業員への配慮も重視した取り組みを重視していたことが印象的でした。
次の世代のために一歩前へ進みましょう。
皆様からのご連絡をお待ちしています