(株)富山環境整備は、昭和47年に創業し、廃棄物の収集運搬から中間処理、最終処分まで一括して行なっています。
さらにプラスチックのリサイクル原料化とリサイクル製品づくりや、廃棄物処理施設から発生する電気や熱を利用し、ICTを活用した新しい農業に取組んでいます。
廃棄物を埋め立てた処分場跡地の活用の一環として、平成13年にイチゴの栽培からアグリプロダクト事業がスタートしました。その後、徐々に規模を拡大し、平成27年より本格的に稼働し始め、現在は30棟のハウスで主にトマト、花卉、イチゴなどを栽培しています。
ハウス外観
廃棄物処理設備
廃棄物処理業は、歴史的な背景から周囲の理解が中々得られない業種と言われているが、㈱富山環境整備は地域の人たちのご理解のもと長年事業を行っています。
「廃棄物は資源」と捉え、出来る限り廃棄物を資源に変えようという意識のもと、単純に焼却するのではなく、焼却から発生する排熱を利用した発電施設を併設することで、廃棄物由来のエネルギーを使用した農業へとつながりました。
廃棄物を活かすという強い意識と廃棄物を一気通貫で処理しエネルギーを生み、それらエネルギーを供給する設備を場内の近い場所に大規模に集約していることが強みとなっています。
また、これらアグリ施設で栽培したトマトやイチゴを使ったパンの製造・加工販売を自社で自ら行う店舗「&BREAD」や、ECサイトでのトマト・花卉・トマト加工品・お米の販売も行っています。
廃棄物処理で得られた電気・廃熱エネルギーを、異業種間利用として農業へと展開し、作られた作物を消費者の元へ届け、また廃棄物が出され、処理へと循環していく持続可能型農業を作り出しています。
&BREADでのパンの販売
自社トマトの販売
社会インフラの一環として貢献できるよう、積極的にSDGsへの取組みを行っています。
「ゴール15. 陸の豊かさを守ろう」
「ゴール11.住み続けられるまちづくりを」
「ゴール8.働き甲斐も経済成長も」
「ゴール7.エネルギーをみんなに」、「13.気候変動に具体的な対策を」
「ゴール10.人や国の不平等をなくそう」、「11.住み続けられるまちづくりを」
「ゴール5.ジェンダー平等を実現しよう」
「ゴール4.質の高い教育をみんなに」
「ゴール8.働きがいも経済成長も」
危険な箇所や作業、ルールなどを共有する張り紙
以上のように、様々な取り組みが積極的に行われています。
可燃系廃棄物を焼却した際のエネルギーにより発電し、その電気と排熱を活用した空調設備を農業に利用しているため、化石燃料の使用量を減らし、温室効果ガス排出の軽減につながっています。
発電設備2炉を配置しており、どちらかが停止しても、もう1炉が運転可能なため、常に発電を行えるように設備を整えています。
排熱を利用した熱供給システム(トランスヒートコンテナ)
地域共生の中で、2年前から水稲の耕作放棄地を任され、水稲や野菜の露地栽培にも取り組んでいます。
我が国の基幹的農業従事者は、65歳以上が約70%と高齢化が問題となっています。
5年後~10年後には引退する人も増え、さらにそういった土地が増えていくと予想されます。
現在、会社では約10haの露地栽培に取組んでいますが、そうして預かる農地が今後5倍ほど拡大していくのではと見込んでいます。
花卉を栽培するハウス
栽培中のトマト
廃棄物を活用しエネルギーや食に変えていくといったSDGsにつながる取組みによって、社会に貢献しています。
今後の取組みとしては、「廃棄物は資源」を軸に、早生樹を活用した再生可能エネルギーの発電に向けた実証実験を行い、あらゆる可能性を探っています。
そうしたエネルギーを活用した水産物の養殖や畜産も計画されており、さらにSDGsへの取組みが拡大し、サスティナブルな社会の構築に大きく貢献されていくことと期待します。
次の世代のために一歩前へ進みましょう。
皆様からのご連絡をお待ちしています