株式会社メイワファームHYBRID

  • 作物イチゴ
  • 地域鳥取県
当社概況

2020年4月1日創業。その背景には日本の農業に対する危機感と地域貢献の意識が強かったようです。

社長が長い海外生活の中で日本の農産物の品質の良さを実感していました。しかし後継者不足など日本の農家が失われつつあることに危機感を持つようになりました。

そこで地域貢献も含めて、以前に企業誘致でご縁のあった鳥取市からの提案を機に創業を決めました。現在、温室3棟で合計面積は2268㎡。栽培品目はいちごのみで収穫量6.3tとなっています。なお販路は小売店への販売とネット販売です。

メイワファームHYBRID外観

メイワファームHYBRID外観

当社の強み

当社のマーケティングにおける強みは、主に以下の3つを挙げることができます。

「温泉いちご」

「温泉いちご」

1).鳥取県で作られている品種「とっておき」を「温泉いちご」としてブラディングすることで差別化を図ることに成功した。

主な要因としてはパッケージなど親会社「メイワパックス株式会社」で培われたマーケティングの力に起因すると考えられます。

2).青果としてのいちごだけでなく、バターやジュースなどの加工品を販売することにより収益の安定化を図っています。

取扱加工品

取扱加工品

SDGsの取り組み

当社が現在取り組んでいると考えられるSDGs(省エネ関連は後述)のターゲットと内容は、次の4つとなります。

1). ターゲット12.3「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる」

6次産業化を進めることで、廃棄ロスの削減に努めています。

2). ターゲット4.4「2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。」

ターゲット8.5「2030年までに、若者や障害者を含む全ての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する。」

ハウス建設時から、できる限り重労働を減らす取り組みが見られます。
具体的には高設栽培や最新の電子秤を導入することで選別作業の省力化に努めていることなどが挙げられます。また、地元の集落から積極採用することで地域の雇用創出にも一役かっています。

3). ターゲット2.3「2030年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者の農業生産性及び所得を倍増させる」

スライドらくラック

スライドらくラック

様々な技術を導入していますがここではまず「スライドらくラック」をとりあげます。(左写真参照)
これは「局所加温技術を備えた移動式栽培ヘッド」のことで従来の栽培方式に比べて施設面積を有効活用できるようになり、最大収量が1.8倍になると計算されています。
また、自動灌水制御システムにより多様な潅水パターンの自動化や潅水量の見える化を図ることにより、正確な潅水から作物の収量増加や品質向上に努めています。

4). ターゲット13.3「気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。」

環境制御システムにより「気温」「土壌温土」「湿度」「二酸化炭素濃度」「日照量」「風量」を24時間完全モニタリングすることにより外的要因の変化にも柔軟に対応できる体制となっています。

モニタリング画面

モニタリング画面

省エネの取り組み

当社の省エネへの取り組みのターゲットは以下の通りです。

ターゲット7.3 「エネルギー効率を向上させる」

ターゲット3.9 「2030年までに、有害化学物質、並びに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる」

ターゲット8.4 「2030年までに、世界の消費と生産における資源効率を漸進的に改善させ、先進国主導の下、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組みに従い、経済成長と環境悪化の分断を図る」

ターゲットに紐づく具体的な取り組み内容は以下の2つとなります。

1). 温泉水の有効活用

「温泉熱栽培」で土壌を温めることによりボイラーなどでハウス全体を加温する必要を無くしています。

この取り組みの背景には使用されずに捨てられている温泉水をもったいないと感じ何かに利用できないかという問いから生まれたとのことです。
国内でこの技術を採用している農家が少なかった為に0から1を生み出す苦労は大変だったとのことです。

温泉菅送水システム

温泉菅送水システム

2). 使用電力の完全再生エネルギー化

使用する電力に関しても地元の電力会社と再生エネルギーの使用契約を結ぶことによりカーボンニュートラルを達成しています。

その他

当社は今後、「四季成りイチゴの栽培」による通年栽培を目指しています。通年栽培をすることにより雇用拡大を図ることが可能となります。

また今までに蓄積されたナレッジを体系化することで、若い世代のあこがれになる「次世代農業」をめざしたいと語っていました。

結論

様々な技術を取り入れ、また0から新しい技術を開発してカーボンニュートラルを達成しています。

当社が目指す「次世代農業」は技術面だけでなくマインドセット面でも、これからの新規就農企業にとって非常に参考になるとの感想を持ちました。

次の世代のために一歩前へ進みましょう。

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