よしよし畑株式会社

  • 作物トマト、ナス
  • 地域兵庫県
当社概況

現社長が商社・農薬メーカーを経て2018年に新規就農。大学時代に経験したオランダでのトマト農家での研修の影響からトマト栽培を開始。現在は合計13aの温室ハウスでは大玉、中玉、ミニトマトを栽培しています。

露地野菜として、なす、ほうれん草、とうもろこしを栽培しています。現在の主な取引先は「ヤマダストアー」「ボンマルシェ」などの小売業と農協の直売所で市場流通はありません。
社名の由来は「『よしよし』と丁寧にストレスを与えずに育てた野菜は、食べた人の心と体を『よしよし』といわってくれる」という思いから名付けられました。

また「飛びぬけた農業で幸せをつくる」という想いをもっており、その実現のための柱として「デザイン」「先端技術」「組織化」「パートナーシップ」の4つを掲げています。

ハウス外観

ハウス外観

作業の様子

作業の様子

当社の強み

当社のマーケティングにおける強みは、主に以下の3つを挙げることができます。

1). デザイン力

農産物栽培だけでなく流通~販売までを自社のドメインとしてみた時に、自社ブランドの構築に欠かせない要素となっています。

友人が育てた野菜のような親しみと安心感を感じてもらうため、デザイナーである奥様がロゴやパッケージなどの商品デザインから、SNSなどを活用したコミュニケーションまで顧客の体験を一貫してデザインすることで、自社ファンの獲得に大きく寄与していると考えられます。

よしよし畑商品パッケージ

よしよし畑商品パッケージ

2). 営業力

農業を「食品製造メーカー」として定義し、そこを目指すために組織化を行っています。
上述の通り流通~販売までを自社ドメインと設定したため、創業当初から社長自ら営業活動を行い複数取引先を獲得しました。

3). 情報発信力

SNSなど様々なツールをフル活用し情報発信に努めています。
これらの活動を通じて、当社ブランドは本当の意味での「生産者の顔がみえる農産物」となっており、多くの消費者から親しみやすい存在となっています。

ブログでの情報発信も奥様のデザイン力が活用されている

ブログでの情報発信も奥様のデザイン力が活用されている

SDGsの取り組み

当社が現在取り組んでいると考えられるSDGs(省エネ関連は後述)のターゲットと内容は、次の3つとなります

1). ターゲット8.5「2030年までに、若者や障害者を含む全ての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する。」

パートに子育てママさんを積極的に採用しています。採用人数にバッファを持つことにより働き方に柔軟性を持たせて、子育て中でも働きやすい環境の提供に注力しています。

2). ターゲット6.4「2030年までに、全セクターにおいて水利用の効率を大幅に改善し、淡水の持続可 能な採取及び供給を確保し水不足に対処するとともに、水不足に悩む人々の数を大幅に減少させる。」

ターゲット2.3「2030年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者の農業生産性及び所得を倍増させる」

複合環境制御システム

複合環境制御システム

「カナダ製の温室ハウスの導入」「複合環境制御システムの導入」「潅水、施肥にAI技術の活用」などの細かいところまで先端技術を導入することにより、生産性向上に努めています。

3). ターゲット6.3「2030年までに、汚染の減少、投棄の廃絶と有害な化学物・物質の放出の最小化、未処理の排水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模で大幅に増加させることにより、水質を改善する。」

ターゲット14.1「2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。」

全体の6~8割程を化学肥料から有機肥料に変えています。これにより資源の循環に配慮しています。またECセンサーや土壌分析を活用して施肥量を最適化することで余剰放出窒素量の削減に努め、環境に配慮しています。

省エネの取り組み

当社の省エネへの取り組みのターゲットは以下の通りです。

ターゲット7.3 「エネルギー効率を向上させる」

ターゲット3.9 「2030年までに、有害化学物質、並びに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる」

ターゲット8.4 「2030年までに、世界の消費と生産における資源効率を漸進的に改善させ、先進国主導の下、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組みに従い、経済成長と環境悪化の分断を図る」

ターゲットに紐づく具体的な取り組み内容は以下の2つとなります。

1). ハウス保温の効率化

ハウスに「空気膜2重被覆」構造を採用し、ハウス保温の効率化を図っています。これによりエネルギー効率が約30%改善されています。

2). 電気自動車の活用

商品配達に電気自動車を使用していることにより、輸送時の排出CO2の削減に繋がっています。

このようなSDGsや省エネに対しての取り組みの背景について、長期的な視点で社会の発展、自社の発展を考えたときにSDGsの17のゴールは「原則」であると考えに基づいています。つまり推奨されたから行うのではなく、当たり前のことをやっているという意識が強く働いています。

その他

当社は今後のビジョンとして、「消費地のそばで農産物を育て、流通コストをできるだけ抑えてスーパーに直接に届ける」という「ビール工場」を参考にしたビジネスモデルの横展開を目指しています。
その為にも当社が大事にしている4つの柱の強化を図っていきたいと仰っておりました。また、「8.働きがいも 経済成長も」の実現のためにパートさんの時給2,000円を目指し、生産性向上を図っています。

結論

SDGs活動を「持続的な社会の発展の原則」と捉える考えは他社にとって非常に参考になる考えではないでしょうか。

また「定義づけ」と「原則」を上手く活用しておりそのことが当社の発展につながっていると考えます。物事を「定義」し、それを実現するための「原則」を探していくという考えは多方面で応用が効くと強く感じました。

次の世代のために一歩前へ進みましょう。

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