株式会社オーガニックnico

  • 作物イチゴ、トマト、ベビーリーフ
  • 地域京都府
当社概況

当社は2010年に「自然と人間と技術の調和を図り、人間と地球が真に健康でいられる社会づくりに貢献する」という基本理念を持ち創業しました。有機農産物の普及のために「有機野菜の生産と販売」「有機農業生産技術の開発と普及」の2つを事業の軸としています。

現在は「有機野菜事業」「アグリサイエンス事業」「有機イチゴ苗事業」を行っています。

現在稼働している温室施設は21棟で、主に「ミニトマト」「ベビーリーフ」「いちご」の栽培を行っており、直近の年間収穫量は3つ合計で21.6t/反。その6~7割は京都府に流通しています。

ハウス外観

ハウス外観

取扱商品

取扱商品

当社の強み

当社のマーケティングにおける強みは、主に以下の4つを挙げることができます。

1). 標準化された有機農業の技術

当社は「持続可能な農業に関する技術開発と普及」をミッションに掲げ、2021年にアグリサイエンス事業部を設立。経験や勘にたよるのではなくデータを活用し独自の農業技術を研究開発し現場に落とし込んでいます。

2). 複数の収益機会

農産物の販売だけでなく、「セミナー講演」「農業コンサルティング」「受託研究」など複数の収益機会を持つことで経営の安定化が図られています。

3). 国内と中国に市場がある

2020年に上海に迪福洛企業発展有限公司を設立。農業の生産受託事業などを請け負うことで日本国内だけでなく中国でも収益機会を広げています。

4). 生産現場と研究開発現場を保有している

アグリサイエンス事業部で研究開発された技術を自社農場で実践。PDCAサイクルを回すことでその技術をブラッシュアップさせていくことが可能となっています。

当社の事業内容(当社HPより)

当社の事業内容(当社HPより)

SDGsの取り組み

当社が現在取り組んでいると考えられるSDGs(省エネ関連は後述)のターゲットと内容は、次の3つとなります。

1). ターゲット6.3「2030年までに、汚染の減少、投棄の廃絶と有害な化学物・物質の放出の最小化、未処理の排水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模で大幅に増加させることにより、水質を改善する。」

当社の社名の由来となっている、国内有機農産物のシェアを25%まで引き上げて有機農産物があたりまえになるようにしようという取り組みを「ニコニコ運動」と名付けています。有機栽培農産物がどこの量販店でも当たり前のように一般消費者の目に付くよう有機栽培技術の向上を図っています。

ペレット加温機

ペレット加温機

又、有機農法で土づくりを行っていくと土中炭素が増えて土の浄化力が上がっていきます。そのため安全な水を地下水や川に流すことが可能となっております。

更に、燃料に木質ペレットを使用した加温機を活用することで環境に配慮したハウス暖房を行っています。

2). ターゲット8.5「2030年までに、若者や障害者を含む全ての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する。」

休憩の様子

休憩の様子

社員・パートに女性を積極的に採用しています。また採用した女性が働きやすいようにと新たに女性専用のトイレを増設するなどの施策も行っています。

3). ターゲット9.5「2030年までにイノベーションを促進させることや100万人当たりの研究開発従事者数を大幅に増加させ、また官民研究開発の支出を拡大させるなど、開発途上国をはじめとする全ての国々の産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力を向上させる。」

ベンチャー企業評価認定書

ベンチャー企業評価認定書

アグリサイエンス事業部を立ち上げ、ハウスや環境制御システムにこだわらない独自の有機栽培技術の研究開発をしています。

省エネの取り組み

当社の省エネへの取り組みのターゲットは以下の通りです。

ターゲット7.3 「エネルギー効率を向上させる」

ターゲット3.9 「2030年までに、有害化学物質、並びに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる」

ターゲット8.4 「2030年までに、世界の消費と生産における資源効率を漸進的に改善させ、先進国主導の下、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組みに従い、経済成長と環境悪化の分断を図る」

ターゲットに紐づく具体的な取り組み内容は以下の2つとなります

1). 自然エネルギーの有効活用
前述【SDGsの取り組み】で記した通りハウス暖房に木質ペレットを利用した加温機を活用することで自然エネルギーの有効活用を図っている。

2). ハウス保温の効率化

保温カーテンの隙間処理

保温カーテンの隙間処理

「複層屋根パネルの導入」や「保温カーテンの隙間処理の改善」などの創意工夫でハウス保温の効率化を図っています。

これにより不必要なエネルギー利用の削減に取り組んでいます。

このような省エネの取り組みを行っている背景には社長の父親が大きく影響を与えています。父親が農学者であったため幼い頃から農業に触れる機会が多く、環境保護やエネルギー問題についても語り合うことも多々ありました。そのため当社を創業した目的の一つに「地球の健康・人間の健康を守る」ことを掲げました。そういった背景から省エネに対する取り組みを続けているが現状では「コストとの兼ね合いが合わない」と言った苦労もあります。今後は排出CO2の定量化にも取り組んでいきたいと仰っていました。

その他

今後、当社の目標としてまずは「有機野菜事業部の営業利益の黒字化」を目指すとのことです。現状では助成金を活用して成り立っている部分があります。真の意味で「持続可能な農業」を目指すためにも今後も、「データ活用型有機農業」の体系化・構築に注力していくとのことです。そして新しい取り組みとして米などの「土地利用型作物」でカーボンニュートラルかつオーガニックで栽培する技術にも挑戦していきたいと仰っていました。

結論

社名ともなっている「国内有機農産物のシェアを25%まで引き上げて有機農産物があたりまえになるようにしよう」という思いを実現するために、さまざまな独自技術の研究開発を行っています。

コスト面で苦労がありながらも環境面への配慮にも常に注力しております。「理念」「起業家精神」という定性的な側面と「データ活用」という定量的側面が見事に噛み合った事例と感じました。

次の世代のために一歩前へ進みましょう。

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