ムリ・ムラ・ムダの削減
私たちは歯科医院のデジタル化・DX化についても支援しています。
ただし導入前に必ず改善を図るポイントがあります。それは職場の人間関係と風通しの良さです。
1つの歯科医院の平均スタッフ数は、この15年で4.2人から5.1人へと増加しています。開業医の数も増える一方で、地域の先輩から医院を引き継ぐケースや、複数医院を束ねるグループ化も進んでいます。
同時に、歯科医師の先生が担う負担はますます増えています。日常的にスタッフを管理し、患者さんと向き合い、さらに設備や運営全体も監督しなければいけないからです。
特に開業して間もない若い先生にとっては、多様な年齢層・経験者を束ねる「スタッフのまとめ方」に頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。
現場でよくあるのが、ちょっとした行き違いから信頼関係が揺らぐケースです。たとえば動線の工夫をめぐってスタッフが現場目線で改善案を出したとしても、忙しい現場ではつい反論で返しがちです。
悪気はなくても、スタッフが「せっかく考えたのに否定された」と感じてしまえばもう次は言い出せなくなります。こうなると職場でモヤモヤが溜まるだけでなく、「言っても無駄」と考えるスタッフが増えて現場が硬直化していきます。
人間関係がこじれる原因は「ゆっくり話す機会を持てない」ことに尽きます。お互いに忙しすぎて、本来必要なコミュニケーションがうまく取れないために生じてしまうのです。
この課題に対する第一の解決策は、外部の調整役(コンサルタント)を活用することです。すでに関係が冷えている職場では、先生もスタッフも素直に本音を出しづらいでしょう。そんなときは第三者が間に入ることで、初めて言葉にできる思いがあります。
第三者ならスタッフと先生の声を客観的に拾い、フラットな立場から意見調整を行えます。お互いに「なぜそう言ったのか」の真意がきちんと伝わることで、職場の空気は大きく変わります。
職場の関係を良くする第二のポイントは、「指示」ではなく「現場の声を吸い上げる」という姿勢です。
スタッフは日々の業務の中で、細かな改善点や患者さんの声を感じ取っています。例えば「この椅子の位置を変えたほうが案内がスムーズになる」といった提案には、経験に基づく視点があるはずです。
それらを拾うためには意見を出せる場の設計が必要です。クリニックに合った方法を「ルール」として導入すれば、スタッフも安心して声を上げられます。以下の方法がよく採用されます。
医院内に治療以外の運営部分を担う「事務長」がいればベストです。しかし専任で雇うにはコストも高く、募集してもなかなか見つからないのが現状です。
そこで注目されているのが、パートタイム型の「オンライン事務長」です。週に1〜2回だけ現場に入り、先生とスタッフの間に立って調整する役割を担います。現場の課題を拾い、必要に応じて報告・提案もしてくれる存在です。
朝だけ、午前中だけ、といった時間制限も可能で、常勤を雇うよりコストも抑えられます。こうしたサービスを利用すれば、先生が自分の本業に集中できる時間が増えます。
「オンライン事務長」は業務DX化の一環といえますが、スタッフの意見が吸い上げられ、現場の空気が柔らかくなってからこそDX化は有効に機能します。だからこそ、まずは「気持ちよく話せる場」を作ることを意識しましょう。
歯科医院には今、治療の技術だけではなくチームの運営力が求められます。しかし次々に出てくる課題を一人で抱えるのは困難です。まずは小さな外注から始めて「悩みを委託してみる」のはいかがでしょうか。まずモヤモヤの整理から始めたい方も大歓迎です。まずはご相談ください。
次の世代のために一歩前へ進みましょう。
皆様からのご連絡をお待ちしています